花物語
寺田寅彥
翻譯? 王志鎬
花的故事
一．打碗花
? 雖然確切地記不得是什么時(shí)候的事情了，想起了小時(shí)候的事情。我家門前流淌著渾濁的堀川见间，往上淌過半個(gè)街區(qū)聊闯，再向左拐工猜，流入了舊城腳下的樹林之中。舊城對岸是一片廣闊的空地菱蔬。維新之前篷帅，此地是藩主的訓(xùn)練場，而在那時(shí)是縣廳所屬的荒蕪之地拴泌。一片沙地里魏身，到處茂密地生長著斑駁的雜草，牽膨礁花開得滿地都是箭昵。住在附近的孩子們將此地作為玩耍的游樂場，他們弄破柵欄回季，自由出入家制，完全無人管束。夏天的傍晚泡一，幽暗之中颤殴，我將長長的竹竿扛在肩上向空地走去。不知從哪里飛出許多蝙蝠在撲食蚊蟲鼻忠，它們在低空盤旋著涵但，我只要揮動(dòng)竹竿，就有被打落在地的帖蔓。無風(fēng)的黃昏朦朦朧朧的矮瘟，呼喊蝙蝠的聲音從對岸城堡的石墻上回響著，消失在昏暗的河流上塑娇〕合溃“蝙蝠來啊钝吮！請喝水埋涧！那邊的水苦鞍辶伞！”到處都是這喊叫聲棘催，不時(shí)掠過竹竿上空的無力的顫音噓噓地響著劲弦，聽起來熱鬧非凡，卻充滿了難以形容的寂寞醇坝。蝙蝠出動(dòng)是在黃昏邑跪，因?yàn)橐股盍耍陨倭艘恢缓糁恚稚倭藘芍换X得全都消失了，全都飛走了宋距，于是孩子們也四散回家去了轴踱。之后一切都寂靜下來，死一樣的空氣籠罩在廣場上谚赎。不知什么時(shí)候淫僻，我追蹤歸巢的蝙蝠，一直走到荒地一隅壶唤，等突然覺察時(shí)雳灵，向周圍一看，一個(gè)人也沒有了闸盔，伙伴們都回家了悯辙，伙伴之間呼喊回家的聲音也沒有了。向河對岸望去迎吵，只見城堡的石墻上躲撰，郁郁蔥蔥的樸樹將夜空遮了起來，令人感到恐怖钓觉，河邊茂密的草木沉睡在黑暗中茴肥。一抬腳，草叢里的露水冰涼荡灾。當(dāng)不可名狀的黑暗的恐怖感襲來時(shí)瓤狐，我不顧一切地跑了回來。廣場的一角批幌，有高高堆起的砂子础锐，如河堤一般。我給它起名叫天文臺(tái)荧缘，其實(shí)原來是射箭靶場的遺跡皆警，時(shí)常可以從沙子中挖掘出長長的鉛墜截粗。年長的孩子爬上沙山信姓，再滑下來鸵隧，還經(jīng)常玩打仗游戲。敵軍在天文臺(tái)上插著軍旗防守著意推，官軍攀登攻擊豆瘫。我也參加在這軍隊(duì)中，可是從未攀登到沙山頂上菊值。經(jīng)常欺負(fù)我的年長孩子一旦毫不費(fèi)力地攀登上了沙山外驱，就嘲笑我是膽小鬼。令人遺憾的是腻窒，我拼命登了上去昵宇，沙子卻從腳下崩塌下來，想仰仗草叢救命儿子，卻將牽磐甙ィ花也揪掉了，一路滑落下來典徊，引得沙山上的敵軍拍手大笑杭煎。不過，無論如何要攀登上去的念頭在我幼小的心中扎下了根卒落。有時(shí)候，在夢中攀登這座天文臺(tái)蜂桶，攀登不上去儡毕，急得直哭，被母親扶起來坐在被窩上扑媚，還在哭腰湾。“你現(xiàn)在還小疆股，爬不上去费坊，等長大了再去攀登好嗎？”母親安慰著我旬痹。在那以后附井，我們一家離開了故鄉(xiāng)進(jìn)了都市。小孩的心思并不執(zhí)著两残，關(guān)于故鄉(xiāng)的事情漸漸淡忘了永毅，開著牽牛花的天文臺(tái)僅僅保留在如夢中的影子中人弓。二十年后沼死，今天回到了故鄉(xiāng)，看到那廣場上建起了鎮(zhèn)上漂亮的小學(xué)崔赌。一直想在長大了再攀登的天文臺(tái)的沙山被拆掉了意蛀，連個(gè)影子也沒留下耸别。能讓我懷念的，尚保留著過去的情景的县钥，是放學(xué)后在庭院里玩耍的勇猛的小孩子們太雨，以及在柵欄底下勉強(qiáng)開著的牽牛花魁蒜。
一 晝顔
いくつぐらいの時(shí)であったかたしかには覚えぬが囊扳、自分が小さい時(shí)の事である。 宅（うち）の前を流れている濁った堀川（ほりかわ）に沿うて半町ぐらい上ると川は左に折れて舊城のすその茂みに分け入る兜看。その城に向こうたこちらの岸に広いあき地があった锥咸。維新前には藩の調(diào)練場であったのが、そのころは県庁の所屬になったままで荒れ地になっていた细移。一面の砂地に雑草が所まだらにおい茂りところどころ晝顔が咲いていた搏予。近辺の子供はここをいい遊び場所にして柵（さく）の破れから出入りしていたがとがめる者もなかった。夏の夕方はめいめいに長い竹ざおを肩にしてあき地へ出かける弧轧。どこからともなくたくさんの蝙蝠（こうもり）が蚊を食いに出て雪侥、空を低く飛びかわすのを、竹ざおを振るうてはたたき落とすのである精绎。風(fēng)のないけむったような宵闇（よいやみ）に速缨、蝙蝠を呼ぶ聲が対岸の城の石垣（いしがき）に反響して暗い川上に消えて行く〈耍「蝙蝠來い旬牲。水飲ましょ。そっちの水にがいぞ」とあちらこちらに聲がして時(shí)々竹ざおの空（くう）を切る力ない音がヒューと鳴っている搁吓。にぎやかなようで言い知らぬさびしさがこもっている原茅。蝙蝠の出さかるのは宵の口で、おそくなるに従って一つ減り二つ減りどことなく消えるようにいなくなってしまう堕仔。すると子供らも散り散りに帰って行く擂橘。あとはしんとして死んだような空気が広場をとざしてしまうのである。いつか塒（ねぐら）に迷うた蝙蝠を追うて荒れ地のすみまで行ったが摩骨、ふと気がついて見るとあたりにはだれもいぬ通贞。仲間も帰ったか聲もせぬ。川向こうを見ると城の石垣（いしがき）の上に鬱然（うつぜん）と茂った榎（えのき）がやみの空に物恐ろしく広がって头峦獭（みぎわ）の茂みはまっ黒に眠っている滑频。足をあげると草の露がひやりとす
る。名狀のできぬ暗い恐ろしい感じに襲われて夢中に駆け出して帰って來た事もあった唤冈。広場の片すみに高く小砂を盛り上げた土手のようなものがあった峡迷。自分らはこれを天文臺(tái)と名づけていたが、実は昔の射的場の玉よけの跡であったので時(shí)々砂の中から長い鉛玉を掘り出す事があった。年上の子供はこの砂山によじ登ってはすべり落ちる绘搞。時(shí)々戦爭ごっこもやった彤避。賊軍が天文臺(tái)の上に軍旗を守っていると官軍が攻め登る。自分もこの軍勢の中に加わるのであったが夯辖、どうしてもこの砂山の頂まで登る事ができなかった琉预。いつもよく自分をいじめた年上の者らは苦もなく駆け上がって上から弱蟲とあざける≥锕樱「早く登って來い圆米、ここから東京が見えるよ」などと言って笑った。くやしいので懸命に登りかけると啄栓、砂は足もとからくずれ娄帖、力草と頼む晝顔はもろくちぎれてすべりおちる。砂山の上から賊軍が手を打って笑うた昙楚。しかしどうしても登りたいという一念は幼い胸に巣をくうた近速。ある時(shí)は夢にこの天文臺(tái)に登りかけてどうしても登れず、もがいて泣き堪旧、母に起こされ蒲団（ふとん）の上にすわってまだ泣いた事さえあった削葱。「お前はまだ小さいから登れないが淳梦、今に大きくなったら登れますよ」と母が慰めてくれた析砸。その後自分の一家は國を離れて都へ出た。執(zhí)著のない子供心には故郷の事は次第に消えて晝顔の咲く天文臺(tái)もただ夢のような影をとどめるばかりであった谭跨。二十年後の今日故郷へ帰って見るとこの広場には町の小學(xué)校が立派に立っている干厚。大きくなったら登れると思った天文臺(tái)の砂山は取りくずされてもう影もない。ただ昔のままをとどめてなつかしいのは放課後の庭に遊んでいる子供らの勇ましさと螃宙、柵（さく）の根もとにかれがれに咲いた晝顔の花である。
二? 月見草
? 那是我上高中時(shí)所坯，住在寄宿舍那年夏末的事情谆扎。“天亮無城壑”是剛開始睡在寄宿舍二樓記住的一句話堂湖。經(jīng)常被睡相不好的鄰舍男孩欺負(fù)吵醒，時(shí)鐘才指向四點(diǎn)多状土。夜里无蜂，半開著的明晃晃的寢室玻璃窗亮起了曙光，睡眼朦朧地蒙谓，還覺得是在并列吊著的蚊帳中斥季，做著新的舊的黃綠色的夢。窗戶的下框處可見扁柏高高的樹梢，從那上面酣倾，好像剛睡醒的后山在窺視著舵揭。我扔下未疊好的被褥，偷偷溜出去躁锡，下到了運(yùn)動(dòng)場午绳，沐浴在寬廣的草地的露珠里，赤腳從趿拉著的士兵靴中拔出來映之。受驚的蚱螞拍著翅膀飛了起來拦焚，草甸周圍被小松原包圍著，邊上到處盛開著月見草花杠输。在那草中亂踩亂踏赎败，繞著運(yùn)動(dòng)場跑了一圈，這時(shí)紅火的陽光印染了鐘樓抬伺，伙食房的井臺(tái)剛開始變得朝氣蓬勃螟够。這時(shí)，正如我在某天夜里所做的奇妙的夢峡钓。正好是在運(yùn)動(dòng)場妓笙，在更加廣闊的草原上，沐浴在朦朧的月光中能岩，好像不是在現(xiàn)實(shí)中似的寞宫。淡淡的夜霧停留在草葉的末端，四面似乎被薄薄的絹包了起來拉鹃。從哪里傳來草花似的芳香辈赋，卻不知是什么香味。從腳下朝四處奔去膏燕，連接著一大片盛開的月見草花钥屈。與我并排走著的一位年輕的女孩，臉上有著被世人認(rèn)為是青白的輪廓坝辫，在月光中默默地走著篷就。淡灰色衣服的長長袖子美麗無比，同樣也是月見草染出來的近忙。如何會(huì)做這樣的夢竭业，如今已無法考證。從夢幻中醒來及舍，玻璃窗已微微發(fā)白未辆，可以聽到蟲子的鳴叫。出了身虛汗锯玛，心如絞痛咐柜。一起來就離開被褥，下到運(yùn)動(dòng)場，在月見草花盛開的運(yùn)動(dòng)場周圍炕桨，到處跑了不知多少遍劫流。從這以后昼汗，雖然每天早上也去運(yùn)動(dòng)場罗捎，卻沒有像從前那樣在這里跑步時(shí)的爽快心情了糠惫。不用說感到非常孤單，從那以后姊途，我似乎漸漸地消減了自己的體重涉瘾，沉迷于憂郁和空想之中。我的不治之癥捷兰，就是那時(shí)得的立叛。
二 月見草
高等學(xué)校の寄宿舎にはいった夏の末の事である。明けやすいというのは寄宿舎の二階に寢て始めて覚えた言葉である贡茅。寢相の悪い隣の男に踏みつけられて目をさますと秘蛇、時(shí)計(jì)は四時(shí)過ぎたばかりだのに、夜はしらしらと半分上げた寢室のガラス窓に明けかかって顶考、さめ切らぬ目にはつり並べた蚊帳（かや）の新しいのや古い萌黃色（もえぎいろ）が夢のようである赁还。窓の下框（したがまち）には扁柏（へんばく）の高いこずえが見えて、その上には今目ざめたような裏山がのぞいている驹沿。床はそのままに艘策、そっと抜け出して運(yùn)動(dòng)場へおりると、広い芝生（しばふ）は露を浴びて渊季、素足につっかけた兵隊(duì)靴（へいたいぐつ）をぬらす朋蔫。ばったが驚いて飛び出す羽音も快い。芝原のまわりは小松原が取り巻いて却汉、すみのところどころには月見草が咲き亂れていた驯妄。その中を踏み散らして広い運(yùn)動(dòng)場を一回りするうちに、赤い日影が時(shí)計(jì)臺(tái)を染めて賄所（まかないしょ）の井戸が威勢よくきしり始めるのであった合砂。そのころある夜自分は妙な夢を見た富玷。ちょうど運(yùn)動(dòng)場のようで、もっと広い草原の中をおぼろな月光を浴びて現(xiàn)（うつつ）ともなくさまようていた既穆。淡い夜霧が草の葉末におりて四方は薄絹に包まれたようである。どこともなく草花のような香がするが何のにおいとも知れぬ雀鹃。足もとから四方にかけて一面に月見草の花が咲き連なっている幻工。自分と並んで一人若い女が歩いているが、世の人と思われぬ青白い顔の輪郭に月の光を受けて黙って歩いている黎茎。 薄鼠色（うすねずみいろ）の著物の長くひいた裾（すそ）にはやはり月見草が美しく染め出されていた囊颅。どうしてこんな夢を見たものかそれは今考えてもわからぬ。夢がさめてみるとガラス窓がほのかに白んで、蟲の音が聞こえていた踢代。寢汗が出ていて胸がしぼるような心持ちであった盲憎。起きるともなく床を離れて運(yùn)動(dòng)場へおりて月見草の咲いているあたりをなんべんとなくあちこちと歩いた。その後も毎朝のように運(yùn)動(dòng)場へ出たが胳挎、これまでにここを歩いた時(shí)のような爽快（そうかい）な心持ちはしなくなった饼疙。むしろ非常にさびしい感じばかりして、そのころから自分は次第にわれとわが身を削るような慕爬、憂鬱（ゆううつ）な空想にふけるようになってしまった窑眯。自分が不治の病を得たのもこのころの事であった。
三．栗子樹花
? 我曾住過三年的吉住家医窿，位于黑發(fā)山山腳下稍稍往里的地方磅甩。屋子后面是狹窄的后院，上面被幾乎長在懸崖上的大樹密密麻麻地覆蓋著姥卢。傾斜的落葉樹的果實(shí)卷要，與鵯鳥的鳴叫聲一起落在房檐上。我借宿的獨(dú)立房屋前門独榴，一定要通過后院僧叉。面臨庭院的客廳盡頭，有一間只有三張榻榻米大小的房間突出在外括眠，它有一扇漂亮的圓窗彪标。這里一定是房主女兒的起居室，圓窗的拉窗掷豺，連夏天也緊閉著捞烟。一到夏初，忙于作考試前的準(zhǔn)備工作期間当船，纓帶似的黃花從房頂一直到院子落了一大片题画。落花腐爛之后，小小的庭院中充滿了一種甜甜的濃烈的香味德频。大批大頭蒼蠅發(fā)出聲勢浩大的嗡嗡聲苍息，聚集到這里。我想是勢力強(qiáng)盛的大自然壹置，用旺盛之氣襲擊了它們的腦袋吧竞思。散落著花瓣的窗戶內(nèi)，房主羞怯的女兒低垂著腦袋钞护，正在學(xué)習(xí)讀書或做針線活盖喷。我初次來到這人家時(shí)，她才剛十四五歲的樣子难咕，披散著立桃式頂髻的額發(fā)课梳，色澤黝黑距辆，容貌俊俏，目光清澈暮刃，從哪方面看都是一個(gè)可愛的女孩跨算。由于房主夫婦沒有成年的孩子，在親戚的孩子中領(lǐng)養(yǎng)了一個(gè)椭懊。他們除了女兒之外诸蚕，只有一只三色貓，不用說是一個(gè)很寂寞的家庭灾搏。至于我自己挫望，一向是不愛說話的怪人，很少與房主說親切話狂窑，對女孩更未說過悄悄話媳板。每天吃飯時(shí)，那女孩隨著她那木屐聲出現(xiàn)了泉哈，帶著本地口音說道：“請別誤了吃飯蛉幸！”說完便匆匆而去。開始時(shí)丛晦，僅僅是作為孩子的想法奕纫，可是隨著每年夏天探親回來，總覺得自己有點(diǎn)長大了烫沙，自己的眼睛也看得更清楚了匹层。考試前的某一天锌蓄，掌燈時(shí)節(jié)升筏，我復(fù)習(xí)膩了，便從獨(dú)立房屋的走廊走出來瘸爽，栗子樹花的香味撲鼻而來您访。房主屋前的灌木叢中，女孩穿著雪白的衣服剪决，系著紅色的帶子灵汪，一個(gè)人坐在暗淡的光線中。這時(shí)她從正面凝視著我柑潦，露出了奇怪的笑容享言，接著像是追什么東西似的，向客廳方向飛奔而去渗鬼。到那年夏天為止担锤，我離開那個(gè)地方去了東京，第二年夏初時(shí)節(jié)乍钻，收到了從幾乎忘了的吉住家發(fā)來的信肛循，似乎是那女孩寫的。由于除了賀年片之外银择，從未聽到任何關(guān)于他們家的消息多糠，女孩將他們在想些什么，他們那地方的樣子浩考，詳詳細(xì)細(xì)地寫信告訴我夹孔。她還問我，離開原來住的地方之后析孽，有沒有在誰家借宿搭伤。信上還寫著，東京那地方袜瞬，一定是個(gè)好地方吧怜俐，一生中想去那里看一看。關(guān)于其他事情邓尤，似乎再?zèng)]有寫什么拍鲤，我總覺得那艷麗的筆調(diào)，畢竟出自年輕人之筆吧汞扎。最后結(jié)束時(shí)寫著季稳，栗子樹開花等候回信，不久花謝亦等候回信澈魄。落款人姓名景鼠，是以母親的名義寫的。
三 栗の花
三年の間下宿していた吉妆陨取（よしずみ）の家は黒髪山（くろかみやま）のふもともやや奧まった所である铛漓。家の後ろは狹い裏庭で、その上はもうすぐに崖（がけ）になって大木の茂りがおおい重なっている帘营。傾く年の落ち葉木の実といっしょに鵯（ひよどり）の鳴き聲も軒ばに降らせた票渠。自分の借りていた離れから表の門への出入りにはぜひともこの裏庭を通らねばならぬ。庭に臨んだ座敷のはずれに三畳敷きばかりの突き出た小室（こべや）があって芬迄、しゃれた丸窓があった问顷。ここは宿の娘の居間ときまっていて、丸窓の障子は夏も閉じられてあった禀梳。ちょうどこの部屋（へや）の真上に大きな栗（くり）の木があって杜窄、夏初めの試験前の調(diào)べが忙しくなるころになると、黃色い房紐（ふさひも）のような花を屋根から庭へ一面に降らせた算途。落ちた花は朽ち腐れて一種甘いような強(qiáng)い香気が小庭に満ちる塞耕。ここらに多い大きな蠅（はえ）が勢いのよい羽音を立ててこれに集まっている。力強(qiáng)い自然の旺盛（おうせい）な気が脳を襲うように思われた嘴瓤。この花の散る窓の內(nèi)には內(nèi)気な娘がたれこめて読み物や針仕事のけいこをしているのであった扫外。自分がこの家にはじめて來たころはようよう十四五ぐらいで桃割れに結(jié)うた額髪をたらせていた莉钙。色の黒い、顔だちも美しいというのではないが目の涼しいどこかかわいげな子であった筛谚。主人夫婦の間には年とっても子が無いので磁玉、親類の子供をもらって育てていたのである。娘のほかに大きな三毛ねこがいるばかりでむしろさびしい家庭であった驾讲。自分はいつも無口な変人と思われていたくらいで蚊伞、宿の者と親しいむだ話をする事もめったになければ、娘にもやさしい言葉をかけたこともなかった吮铭。毎日の食事時(shí)にはこの娘が駒下駄（こまげた）の音をさせて迎えに來る时迫。土地のなまった言葉で「御飯おあがんなさいまっせ」と言い捨ててすたすた帰って行く。初めはほんの子供のように思っていたが一夏一夏帰省して來るごとに谓晌、どことなくおとなびて來るのが自分の目にもよく見えた掠拳。卒業(yè)試験の前のある日、燈
（ひ）ともしごろ扎谎、復(fù)習(xí)にも飽きて離れの縁側(cè)へ出たら栗（くり）の花の香は慣れた身にもしむようであった碳想。 主家（おもや）の前の植え込みの中に娘が白っぽい著物に赤い帯をしめてねこを抱いて立っていた。自分のほうを見ていつにない顔を赤くしたらしいのが薄暗い中にも自分にわかった毁靶。そしてまともにこっちを見つめて不思議な笑顔（えがお）をもらしたが胧奔、物に追われでもしたように座敷のほうに駆け込んで行った。その夏を限りに自分はこの土地を去って東京に出たが预吆、翌年の夏初めごろほとんど忘れていた吉琢睢（よしずみ）の家から手紙が屆いた。娘が書いたものらしかった拐叉。年賀のほかにはたよりを聞かせた事もなかったが岩遗、どう思うたものか、こまごまとかの地の模様を知らせてよこした凤瘦。自分の元借りていた離れはその後だれも下宿していないそうである宿礁。東京という所はさだめてよい所であろう。一生に一度は行ってみたいというような事も書いてあった蔬芥。別になんという事もないがどことなくなまめかしいのはやはり若い人の筆だからであろう梆靖。いちばんおしまいに栗（くり）の花も咲き候（そうろう）。やがて散り申し候とあった笔诵。名前は母親の名が書いてあった返吻。
四．凌霄花
? 上小學(xué)時(shí)，我最討厭的學(xué)科乎婿，就數(shù)算術(shù)了测僵。經(jīng)常因?yàn)樗阈g(shù)成績不好，讓父母擔(dān)心谢翎，求中學(xué)的老師捍靠，在放暑假期間去老師家補(bǔ)習(xí)功課沐旨。從家到老師家有四五條街的距離，出了家里的后門剂公，沿著小河稍走幾步便出了村子盡頭希俩，從那里可以看見老師家高高的松樹聳立在附近的稻草房頂和灌木叢之上，凌霄花自上而下毫無縫隙地纏繞著纲辽，美不勝收。每天一早璃搜，在母親的再三叮囑下拖吼，硬著頭皮出門，后面的小河里这吻，美麗的水藻在清澈的水底起伏搖蕩吊档，小鯽魚群不時(shí)在水藻中游過，腹部閃著銀色的光芒唾糯。小孩們光著的胸前背后涂著泥怠硼，在小河里啪嚓啪嚓地玩鬧著。河上裝置著的黃楊木水車已廢棄了移怯，乘著盆船可以順流而下香璃。我抑制著羨慕的心情，一邊沿著小河揪著岸上的雜草舟误，一邊急急忙忙地朝著被石盤所環(huán)抱的老師家走去葡秒。打開被寒竹樹籬圍著的木柱門，玄關(guān)旁邊的地坪上并排放著草席嵌溢，上面經(jīng)常晾著蠶繭眯牧。從玄關(guān)出來給我引路的夫人膚色黝黑，說來了一句“這樣熱的天赖草，你還干勁十足学少！”便領(lǐng)我去客廳。打掃得干干凈凈的庭院面對著走廊附近秧骑，低矮的桌子被搬了出來版确。老師走了出來，一聲不響地將算術(shù)習(xí)題集從客廳的書架上拿了出來腿堤。這是橫向狹長的阀坏、在黃表紙上用木版印刷的老本子“侍矗“有甲乙兩位旅行者忌堂，甲平均一小時(shí)走一里，乙平均一小時(shí)走一里半……”我聽老師讀了如此之類的習(xí)題酗洒，又講解了題意士修，就讓我試著做做看枷遂。我將題目放在面前，將石筆在石盤上弄得咯噔咯噔直響棋嘲，孜孜不倦地思考著酒唉。客廳走廊的房檐下沸移，懸掛著魚網(wǎng)痪伦，還掛著許多像橫木似的釣竿。旅行者乙?guī)讉€(gè)小時(shí)被旅行者甲追上雹锣，我還是一無所知网沾，想得腦袋直發(fā)燙，汗水從盤著的腳下滲出蕊爵，衣服黏在身上辉哥，心情很不好。低頭朝庭院一看攒射，斗笠松高高的樹干上醋旦，通紅的凌霄花如火般盛開著。老師看好時(shí)機(jī)出來說：“怎么樣会放，難嗎饲齐？哪一題？”便坐在我前面鸦概。老師將連呢絨也能磨平的石盤擦了擦箩张，將各個(gè)角落擦了一遍，然后慢慢地為我仔細(xì)解釋窗市。不時(shí)念叨著“聽明白了嗎先慷？聽明白了嗎？”我卻對大部分題目還是不太明白咨察，真是莫名悲哀论熙。面對著如此郁悶，鼻涕自然而然地耷拉下來摄狱，我一聲不吭地忍耐著脓诡，在快要落下來時(shí)，斷然抽吸上去媒役，難受極了祝谚。將近吃中飯的時(shí)候，廚房那邊響起了盆碗的聲音酣衷，還散發(fā)出燒菜的香味交惯。我的肚子也餓了，感到很難受。老師反復(fù)教我席爽，看來結(jié)果并不理想意荤，老師那悲壯的聲音也稍稍提高了，那又是莫名悲哀只锻【料瘢“快完了，明天再來吧齐饮【枇龋”老師說。不管怎樣祖驱，覺得一天的任務(wù)好像已經(jīng)完成了上真，便匆匆回到家里。在家什么也不知道的母親羹膳，正做了許多許多好吃的涼菜等著我，用涼水將我汗流滿面的臉洗凈根竿，溺愛的樣子陵像，又是莫名悲哀！
四 のうぜんかずら
小學(xué)時(shí)代にいちばんきらいな學(xué)科は算術(shù)であった寇壳。いつでも算術(shù)の點(diǎn)數(shù)が悪いので両親は心配して中學(xué)の先生を頼んで夏休み中先生の宅へ習(xí)いに行く事になった醒颖。 宅（うち）から先生の所までは四五町もある。 宅（うち）の裏門を出て小川に沿うて少し行くと村はずれへ出る壳炎、そこから先生の家の高い松が近辺の藁屋根（わらやね）や植え込みの上にそびえて見える泞歉。これにのうぜんかずらが下からすきまもなくからんで美しい。毎日晝前に母から注意されていやいやながら出て行く匿辩。裏の小川には美しい藻（も）が澄んだ水底にうねりを打って揺れている腰耙。その間を小鮒（こぶな）の群れが白い腹を光らせて時(shí)々通る。子供らが丸裸の背や胸に泥（どろ）を塗っては小川へはいってボチャボチャやっている铲球。付け木の水車を仕掛けているのもあれば挺庞、盥船（たらいぶね）に乗って流れて行くのもある。自分はうらやましい心をおさえて川沿いの岸の草をむしりながら石盤をかかえて先生の家へ急ぐ稼病。寒竹の生けがきをめぐらした冠木門（かぶきもん）をはいると选侨、玄関のわきの坪には蓆（むしろ）を敷き並べた上によく繭を干してあった。玄関から案內(nèi)を請うと色の黒い奧さんが出て來て「暑いのによう御精が出ますねえ」といって座敷へ導(dǎo)く然走。きれいに掃除
（そうじ）の屆いた庭に臨んだ縁側(cè)近く援制、低い機(jī)を出してくれる。先生が出て來て芍瑞、黙って床の間の本棚（ほんだな）から算術(shù)の例題集を出してくれる晨仑。橫に長い黃表紙で木版刷りの古い本であった。「甲乙二人の旅人あり寻歧、甲は一時(shí)間一里を歩み乙は一里半を歩む……」といったような題を読んでその意味を講義して聞かせて掌栅、これをやってごらんといわれる。先生は縁側(cè)へ出てあくびをしたり勝手のほうへ行って大きな聲で奧さんと話をしたりしている码泛。自分はその問題を前に置いて石盤の上で石筆をコツコツいわせて考える猾封。座敷の縁側(cè)の軒下に投網(wǎng)（とあみ）がつり下げてあって、長押（なげし）のようなものに釣竿（つりざお）がたくさん掛けてある噪珊。何時(shí)間で乙の旅人が甲の旅人に追い著くかという事がどうしてもわからぬ晌缘、考えていると頭が熱くなる、汗がすわっている足ににじみ出て痢站、著物のひっつくのが心持ちが悪い磷箕。頭をおさえて庭を見ると、笠松（かさまつ）の高い幹にはまっかなのうぜんの花が熱そうに咲いている阵难。よい時(shí)分に先生が出て來て「どうだ岳枷、むつかしいか、ドレ」といって自分の前へすわる呜叫。ラシャ切れを丸めた石盤ふきですみからすみまで一度ふいてそろそろ丁寧に説明してくれる空繁。時(shí)々わかったかわかったかと念をおして聞かれるが、おおかたそれがよくわからぬので妙に悲しかった朱庆。うつ向いていると水洟（みずばな）が自然にたれかかって來るのをじっとこらえている盛泡、いよいよ落ちそうになると思い切ってすすり上げる、これもつらかった娱颊。晝飯時(shí)が近くなるので傲诵、勝手のほうでは皿鉢（さらばち）の音がしたり、物を焼くにおいがしたりする箱硕。腹の減るのもつらかった拴竹。繰り返して教えてくれても、結(jié)局あまりよくはわからぬと見ると颅痊、先生も悲しそうな聲を少し高くすることがあった殖熟。それがまた妙に悲しかった“呦欤「もうよろしい菱属、またあしたおいで」と言われると一日の務(wù)めがともかくもすんだような気がして大急ぎで帰って來た。 宅（うち）では何も知らぬ母がいろいろ涼しいごちそうをこしらえて待っていて舰罚、汗だらけの顔を冷水で清め纽门、ちやほやされるのがまた妙に悲しかった。
五．芭蕉花
? 天一放晴营罢，就突然熱起來赏陵。從早上起饼齿，一直在寫一封信，做什么都沒精神蝙搔。幾次試著跪坐在書桌前缕溉，馬上苦不堪言，終于躺了下來吃型。涼風(fēng)不時(shí)吹過证鸥，屋檐下玻璃的風(fēng)鈴叮當(dāng)作響。涼床前勤晚，罩式蚊帳中俊坊的臉紅彤彤的枉层，腦袋從枕頭上滾落下來，臉朝下躺著赐写。我走出套廊鸟蜡，庭院里已有一半陰影，陰影和日光的邊界挺邀，螞蟻在轉(zhuǎn)著圈爬進(jìn)爬出揉忘。前幾天，從上田家要來的大理花剛要發(fā)芽的樣子端铛，卻不長大癌淮。防雨套窗前，芭蕉伸出了巨大的葉片沦补，其中一棵開出了今年的花。肥大而厚實(shí)的花瓣只打開了三瓣四瓣咪橙，也許等都開放了夕膀，就腐朽了吧，好像已經(jīng)有一點(diǎn)兒枯萎了美侦。有兩三只螞蟻爬在上面产舞。俊坊突然哭了起來菠剩，我張望了一下易猫，他坐在蚊帳里哭著，將手腳伸了出來具壮。妻子從廚房 飛奔出來准颓，男孩自己抱著牛奶瓶，放在伸出來的膝蓋上棺妓，咬著奶頭咕嘟咕嘟不息氣地喝著攘已。一邊將淚汪汪的雙眼在父母的臉上均等地掃視著，一邊喝著牛奶怜跑。喝完了样勃，似乎想起什么似的，又哭了起來，看上去還未睡醒呢峡眶。妻子背負(fù)著阿俊剧防，站在套廊上說：“芭蕉花，孩子啊辫樱，芭蕉花開了呀峭拘！這一朵多么大啊搏熄！結(jié)出果實(shí)來棚唆，那果實(shí)不能吃啊心例！”孩子停止哭泣宵凌，指著芭蕉花說：“摸！摸止后！”妻子又說：“是跋贡埂！只有人在花還未開就死去了呢译株！”一邊搖著背上的孩子瓜喇，一邊說“媽！”孩子也仿效著說“媽歉糜！”我們兩人都笑了乘寒，孩子也笑了。于是又指著芭蕉花說“摸匪补！摸伞辛！”
五 芭蕉の花
晴れ上がって急に暑くなった。朝から手紙を一通書いたばかりで何をする元?dú)荬猡胜ず蝗薄￥胜螭伽螭鈾C(jī)の前へすわって見るが蚤氏、じきに苦しくなってついねそべってしまう。時(shí)々涼しい風(fēng)が來て軒のガラスの風(fēng)鈴が鳴る踊兜。床の前には幌蚊帳（ほろがや）の中に俊坊が顔をまっかにして枕（まくら）をはずしてうつむきに寢ている竿滨。縁側(cè)へ出て見ると庭はもう半分陰になって捏境、陰と日向（ひなた）の境を蟻（あり）がうろうろして出入りしている于游。このあいだ上田（うえだ）の家からもらって來たダーリアはどうしたものか少し芽を出しかけたままで大きくならぬ。戸袋の前に大きな広葉を伸ばした芭蕉（ばしょう）の中の一株にはことし花が咲いた垫言。大きな厚い花弁が三つ四つ開いたばかりで曙砂、とうとう開ききらずに朽ちてしまうのか、もう少ししなびかかったようである骏掀。 蟻（あり）が二三匹たかっている鸠澈≈妫俊坊が急に泣き出したからのぞいて見ると蚊帳（かや）の中にすわって手足を投げ出して泣いている。勝手から妻が飛んでくる笑陈。坊は牛乳のびんを际度、投げ出した膝の上で自分にかかえて乳首から息もつかずごくごく飲む。涙でくしゃくしゃになった目で両親の顔を等分にながめながら飲んでいる涵妥。飲んでしまうとまた思い出したように泣き出す乖菱。まだ目がさめきらぬと見える。妻は俊坊をおぶって縁側(cè)に立つ蓬网≈纤「芭蕉（ばしょう）の花、坊や芭蕉の花が咲きましたよ帆锋、それ吵取、大きな花でしょう、実がなりますよ锯厢、あの実は食べられないかしら皮官。」坊は泣きやんで芭蕉の花をさして「モヽモヽ」という实辑∞嗲猓「芭蕉は花が咲くとそれきり枯れてしまうっておとうちゃま、ほんとう剪撬？」「そうよ摄乒、だが人間は花が咲かないでも死んでしまうね」といったら妻は「マア」といったきり背をゆすぶっている。坊がまねをして「マア」という残黑。二人で笑ったら坊もいっしょに笑った缺狠。そしてまた芭蕉の花をさして「モヽモヽ」といった。
六? 野玫瑰
? 那是在夏天的山路上旅行的時(shí)候發(fā)生的事萍摊。越過山頂，風(fēng)突然停止了如叼，變得奇熱無比冰木。沿著狹窄的山谷之間階梯式并列著的野崇、穿插在山田邊上的小道沦泌，蜻蜓的翅膀在閃閃發(fā)光孝情，不時(shí)有蛇從手邊的地方爬出冰更。覆蓋著山谷的漆黑天空帅腌，不時(shí)有白云飄過绿满。喉嚨奇疼難忍亿胸。道旁田地邊上汹想，小水溝流淌著追葡，帶著金色陽光的水面腺律，覆蓋著青色的表皮奕短，反射著暗淡的光芒。在行進(jìn)之中匀钧，橫切道路一側(cè)通向山內(nèi)的長著茂密樹林的小道翎碑，發(fā)現(xiàn)落在田里的清泉的細(xì)流時(shí)，卻毫無理由地高興起來之斯。立刻將穿著草鞋的腳浸在了水里日杈，一股涼氣浸透了全身。稍稍撥開樹叢走入道路一旁佑刷，這里只有很特別的櫟樹莉擒、橡樹，黑黝黝的瘫絮，茂密無比涨冀。長滿苔蘚的地方，螃蟹在爬行著檀何。從懸崖上滲出的水蝇裤，從美麗的鳳尾草的葉端滴落下來，落入下面巖石低洼處的水坑频鉴，多余的水溢出來栓辜，鉆到苔蘚下面流走了。小小的竹舀子浮在水面垛孔，被水珠敲打著藕甩。我緊緊抓住舀子，品嘗著美味的周荐、冰冷的狭莱、使人斷腸的泉水。離開懸崖底下不遠(yuǎn)處概作，有一株大大的野玫瑰腋妙，盛開著潔白的花朵。我靠近它讯榕，吸著它那強(qiáng)烈的香味骤素，摘了一小枝。覺得有人的跡象愚屁，瞅了一下济竹，直到現(xiàn)在一直沒注意，在茂密的樹陰里霎槐，有一個(gè)砍柴的女子正在休息送浊。她將背負(fù)的柴火倚靠在絕壁上，裹著綁腿的腳正要跨出的樣子丘跌，一動(dòng)不動(dòng)地向這邊看著袭景。因?yàn)橹皼]想到唁桩，我驚奇地回頭看著≡⊙叮縫補(bǔ)過的衣服朵夏，短短的下擺用繩腰帶扎著。潔白的布手巾扎在眉心榆纽，下面的黑發(fā)垂在額頭仰猖。不用多想，一定是一張美麗的臉奈籽。這不是能在都市見到的健全的臉色饥侵，多少被陽光曬過，更顯美麗衣屏。當(dāng)我正視著她那毫不畏懼的黑眼珠時(shí)躏升，總覺得有一種被盤問的感覺，不由得懦弱地鞠了個(gè)躬狼忱。蟬鳴叫著膨疏，酷熱更加厲害了。帶著剛才摘的野玫瑰钻弄，又走了兩三條街佃却，從對面走上來一位背負(fù)著柴火的年輕人。背負(fù)著與身高不成比例的柴火窘俺，晃晃悠悠地走來饲帅。健壯黑紅的臉，裹著纏頭巾瘤泪，腰間磨的飛快的鐮刀熠熠生輝灶泵。在相交叉的時(shí)候，他說了句“麻煩您了对途！”并朝我的臉看了一眼赦邻。不一會(huì)，他又回過頭來看实檀，年輕人已攀到了清泉近旁惶洲，即使在那邊也回過頭來，朝這里看著劲妙。不知是什么原因，我將手里拿著的野玫瑰扔在地上儒喊，急急忙忙地朝前面清泉那邊走去镣奋。
六 野ばら
夏の山路を旅した時(shí)の事である。峠を越してから急に風(fēng)が絶えて蒸し暑くなった怀愧。狹い谷間に沿うて段々に並んだ山田の縁を縫う小道には侨颈、とんぼの羽根がぎらぎらして余赢、時(shí)々蛇（へび）が行く手からはい出す。谷をおおう黒ずんだ青空にはおりおり白雲(yún)が通り過ぎるが哈垢、それはただあちこちの峰に藍(lán)色（あいいろ）の影を引いて通るばかりである妻柒。 咽喉（のど）がかわいて堪え難い。道ばたの田の縁に小みぞが流れているが耘分、金気を帯びた水の面は青い皮を張って鈍い光を照り返している举塔。行くうちに、片側(cè)の茂みの奧から道を橫切って田に落つる清水（しみず）の細(xì)い流れを見つけた時(shí)はわけもなくうれしかった求泰。すぐに草鞋（わらじ）のまま足を浸したら涼しさが身にしみた央渣。道のわきに少し分け入ると、ここだけは特別に樫（かし）や楢（なら）がこんもりと黒く茂っている渴频。 苔（こけ）は濕って蟹（かに）が這（ほ）うている芽丹。 崖（がけ）からしみ出る水は美しい羊歯（しだ）の葉末からしたたって下の巖のくぼみにたまり、余った水はあふれて苔の下をくぐって流れる卜朗。小さい竹柄杓（たけび
しゃく）が浮いたままにしずくに打たれている拔第。自分は柄杓にかじりつくようにして、うまい冷たいはらわたにしむ水を味おうた场钉。少し離れた崖の下に一株の大きな野ばらがあって純白な花が咲き亂れている蚊俺。自分は近寄って強(qiáng)いかおりをかいで小さい枝を折り取った。人のけはいがするのでふと見ると惹悄、今までちっとも気がつかなかったが春叫、茂みの陰に柴刈（しばか）りの女が一人休んでいた。背負(fù)うた柴を崖（がけ）にもたせて腳絆（きゃはん）の足を投げ出したままじっとこっちを見ていた泣港。あまり思いがけなかったので驚いて見返した暂殖。継ぎはぎの著物は裾短（すそみじ）かで繩（なわ）の帯をしめている。白い手ぬぐいを眉深（まぶか）にかぶった下から黒髪が額にたれかかっている当纱。思いもかけず美しい顔であった呛每。都では見ることのできぬ健全な顔色は少し日に焼けていっそう美しい。人に臆（おく）せぬ黒いひとみでまともに見られた時(shí)坡氯、自分はなんだかとがめられたような気がした晨横。思わずいくじのないお辭儀を一つしてここを出た。 蟬（せみ）が鳴いて蒸し暑さはいっそうはげしい箫柳。今折って來た野ばらをかぎながら二三町行くと手形、向こうから柴を負(fù)うた若者が一人上って來た。身のたけに余る柴を負(fù)うてのそりのそりあるいて來た悯恍。たくましい赤黒い顔に鉢巻（はちまき）をきつくしめて库糠、腰にはとぎすました鎌（かま）が光っている。行き違う時(shí)に「どうもお邪魔さまで」といって自分の顔をちらと見た涮毫。しばらくして振り返って見たら瞬欧、若者はもう清水（しみず）のへん近く上がっていたが贷屎、向こうでも振りかえってこっちを見た。自分はなんというわけなしに手に持っていた野ばらを道ばたに捨てて行く手の清水へと急いで歩いた艘虎。
七? 常山的花
? 還是在上小學(xué)的時(shí)候唉侄，為了收集昆蟲，與朋友做了伙伴野建。我死乞白賴地向母親要了破蚊帳做捕蟲網(wǎng)属划，不畏夏伏天猛烈的太陽，扛在肩上贬墩，每天出去捕捉蟲子榴嗅。蝶蛾與甲蟲類最多棲息在城山之中，在漫長的白天陶舞，整天都有嗽测。在二園三園的草原，有大量珍貴的蝴蝶和蚱螞肿孵。稍微走進(jìn)草木茂密處唠粥，樹干上可以發(fā)現(xiàn)各種各樣的甲蟲。金花蟲停做、金龜子晤愧、磕頭蟲的種類有許多。草木強(qiáng)烈的清香撲鼻而來蛉腌，我心情激動(dòng)地走著官份，尋找著這樣的蟲子。捕捉來的蟲子用熱水和樟腦殺死烙丛，漂亮地排列在用點(diǎn)心盒做的標(biāo)本箱中舅巷。隨著標(biāo)本箱的增加，覺得樂不可支河咽。捕捉蟲子回來钠右，身上汗水如洗桑拿似的，臉上如火燎似的忘蟹。怎么會(huì)如此喜歡蟲子飒房，母親至今還數(shù)落著我過去的一個(gè)故事。歲月流逝媚值，趣事重提狠毯，當(dāng)時(shí)發(fā)現(xiàn)和捕捉珍貴蟲子的強(qiáng)烈喜悅依然如舊。曾經(jīng)進(jìn)入城山山腳下褥芒，面對著溝渠的黑暗叢林中嚼松，有一株高大的常山木，樹梢上開滿了偏桃紅色的花。散落的花隨風(fēng)飄落惜颇，散布在水邊和腐朽的沉船上，美不勝收少辣。這根樹干上凌摄，到處有蟲子蛀入的洞穴，洞口被細(xì)小的木蠹及其糞便一起毀壞了漓帅，一股臭味撲鼻而來锨亏。在樹干的高處，巨大而漂亮的獨(dú)角仙豎立著威嚴(yán)的犄角停了下來忙干，發(fā)現(xiàn)的時(shí)候真是高興器予。我的標(biāo)本箱中，好的獨(dú)角仙已經(jīng)一只也沒有了捐迫，我心里蹦蹦跳著乾翔，舉起了網(wǎng)兜。網(wǎng)兜一點(diǎn)點(diǎn)達(dá)到目標(biāo)施戴，洋洋得意地捉住了第一只反浓，急忙放入腰間掛著的昆蟲籠子，懷著隱藏不住的喜悅走出了森林赞哗。一直來到三圓石階的下面雷则，遇到一位從對面沿著樹陰走來、手里牽著一個(gè)小孩肪笋、撐著一把美麗的蝙蝠傘的女子月劈。她是城里小康家庭的妻女倆吧。撐著傘的手挎著一個(gè)藥瓶藤乙，一只手牽著孩子走著猜揪。大大的新麥秸帽子的細(xì)繩系在孩子可愛的下巴底下，穿著潔白的西式服裝湾盒。她看見了我提著的昆蟲籠子湿右，便拋開了母親的手過來瞧，然后瞪大了眼睛罚勾，朝母親的方向跑去毅人，她將袖子用力向上拉，想了想尖殃，又過來瞧昆蟲籠子丈莺。盡管母親早已過來招呼，她卻怎么也不肯離開我的旁邊送丰。強(qiáng)迫拉著她走到山路的正中間缔俄，她漲紅了臉，終于哭了出來。母親照樣無計(jì)可施俐载，一味斥責(zé)著蟹略。這時(shí)，我打開昆蟲籠子的蓋子遏佣，將獨(dú)角仙引出來挖炬，并在路邊拔了一根相撲草，牢牢地系在獨(dú)角仙的犄角上状婶。然后意敛，說了聲“來啊膛虫！”將它放到了孩子的手中草姻。孩子停止了哭泣，臉上現(xiàn)得又是害羞稍刀，又是高興的樣子撩独。母親很吃驚，一邊斥責(zé)孩子账月，一邊向我道謝跌榔。我不知為什么也變得害羞起來，一邊一聲不吭地?fù)u了搖昆蟲籠子捶障，一邊跑了起來僧须。又像是高興，又像是舍不得项炼，那是一種從來沒有的感覺担平。從那以后，屢次走過常山森林下面锭部，再也沒有見過像那次那樣漂亮的獨(dú)角仙暂论，也再也沒有遇到過那次見過的娘兒倆。
七 常山の花
まだ小學(xué)校に通（かよ）ったころ拌禾、昆蟲（こんちゅう）を集める事が友だち仲間ではやった取胎。自分も母にねだって蚊帳（かや）の破れたので捕蟲網(wǎng)を作ってもらって、土用の日盛りにも恐れず湃窍、これを肩にかけて毎日のように蟲捕（むしと）りに出かけた闻蛀。 蝶蛾（ちょうが）や甲蟲（かぶとむし）類のいちばんたくさんに棲（す）んでいる城山（しろやま）の中をあちこちと長い日を暮らした。二の丸三の丸の草原には珍しい蝶やばったがおびただしい您市。少し茂みに入ると樹木の幹にさまざまの甲蟲が見つかる觉痛。玉蟲、こがね蟲茵休、米つき蟲の種類がかずかずいた薪棒。強(qiáng)い草木の香にむせながら手蝎、胸をおどらせながらこんな蟲をねらって歩いた。 捕（と）って來た蟲は熱湯や樟脳（しょうのう）で殺して菓子折りの標(biāo)本箱へきれいに並べた俐芯。そうしてこの箱の數(shù)の増すのが楽しみであった棵介。蟲捕りから帰って來ると、からだは汗を浴びたようになり吧史、顔は火のようであった鞍时。どうしてあんなに蟲好きであったろうと母が今でも昔話の一つに數(shù)える。年を経ておもしろい事にも出會(huì)うたが扣蜻、あのころ珍しい蟲を見つけて捕えた時(shí)のような鋭い喜びはまれである。今でも城山の奧の茂みに蒸された朽ち木の香を思い出す事ができるのである及塘。いつか城山のずっとすそのお堀（ほり）に臨んだ暗い茂みにはいったら莽使、一株の大きな常山木（じょうざんぼく）があって桃色がかった花がこずえを一面におおうていた。散った花は風(fēng)にふかれて笙僚、みぎわに朽ち沈んだ泥船（どろぶね）に美しく散らばっていた芳肌。この木の幹はところどころ蟲の食い入った穴があって、穴の口には細(xì)かい木くずが蟲の糞（ふん）と共にこぼれかかって一種の臭気が鼻を襲うた肋层。木の幹の高い所に亿笤、大きなみごとなかぶと蟲がいかめしい角（つの）を立てて止まっているのを見つけた時(shí)はうれしかった。自分の標(biāo)本箱にはまだかぶと蟲のよいのが一つもなかったので栋猖、胸をとどろかして網(wǎng)を上げた净薛。少し網(wǎng)が屆きかねたがようよう首尾よく捕（と）れたので、腰につけていた蟲かごに急いで入れて蒲拉、包
みきれぬ喜びをいだいて森を出た肃拜。三の丸の石段の下まで來ると、向こうから美しい蝙蝠傘（こうもりがさ）をさした女が子供の手を引いて木陰を伝い伝い來るのに會(huì)うた雌团。町の良い家の妻女であったろう燃领。傘を持った手に薬びんをさげて片手は子供の手を引いて來る。子供は大きな新しい麥藁帽（むぎわらぼう）の紐（ひも）をかわいい頤（あご）にかけてまっ白な洋服のようなものを著ていた锦援。自分のさげていた蟲かごを見つけると母親の手を離れてのぞきに來たが猛蔽、目を丸くして母親のほうへ駆けて行って、袖（そで）をぐいぐい引っぱっていると思うと灵寺、また蟲かごをのぞきに來た曼库。母親は早くおいでよと呼ぶけれども、なかなか自分のそばを離れぬ略板。しいて連れて行こうとすると道のまん中にしゃがんでしまってとうとう泣き出した凉泄。母親は途方にくれながらしかっている。自分はその時(shí)蟲かごのふたをあけてかぶと蟲を引き出し道ばたの相撲取草（すもうとりぐさ）を一本抜いて蟲の角（つの）をしっかり縛った蚯根。そして后众、さあといって子供に渡した胀糜。子供は泣きやんできまりの悪いようにうれしい顔をする。母親は驚いて子供をしかりながらも禮をいうた蒂誉。自分はなんだかきまりが悪くなったから教藻、黙ってからになった蟲かごを打ちふりながら駆け出したが、うれしいような右锨、惜しいような括堤、かつて覚えない心持ちがした。その後たびたび同じ常山木（じょうざんぼく）の下へも行ったが绍移、あの時(shí)のようなみごとなかぶと蟲はもう見つからなかった悄窃。またあの時(shí)の親子にも再び會(huì)わなかった。
八．龍膽花
? 有一位同年級同學(xué)藤野蹂窖。在去暑期夏令營參加叢林演習(xí)時(shí)轧抗，經(jīng)常與我在同一組，走著去作測量等工作瞬测。他看上去病泱泱的横媚，個(gè)子瘦長，因此比起身體來月趟，腦袋很小灯蝴，經(jīng)常排在前面做步行隊(duì)列的排頭兵。他不愛說話孝宗，始終呆呆地像是在考慮著什么事情穷躁，在其他一般來說很快活的伙伴之中，他不受歡迎因妇。我看著這男孩的臉折砸，不知為什么心里好像有點(diǎn)可憐他。關(guān)于這男孩的過去和現(xiàn)在的情況沙峻，本人對別人從不提起睦授，也從未從別人那里聽到什么。有一年夏天摔寨，在叢林演習(xí)的林間道路鋪設(shè)實(shí)施進(jìn)行中發(fā)生了一件事去枷。藤野與另外三四個(gè)人編成一組，在山間小屋里一起生活了兩個(gè)星期是复。說是山間小屋删顶，其實(shí)只是在山崖的斜坡上將圓木橫著壘起來，在這上面鋪上席子和杉樹葉淑廊，下面墊上一層木板逗余，在黑暗中用毛毯裹著無所事事地躺著。小屋的角落里季惩，用收集來的石頭壘起了爐灶录粱，這里是來往的樵夫做飯的地方腻格。做完一天的工作回來，從懸崖小道上抬頭看見從小屋里冉冉升起的青煙啥繁，別提有多高興菜职。即使是這樣的小屋，也給人以回家的感覺旗闽。一到夜里酬核，從天井的圓木吊下來的燈被群集的小蟲追逐著，我們經(jīng)常將餅干罐頭放在正中間适室，一邊進(jìn)行必要的計(jì)算和制圖嫡意，一邊爬在地上閑聊著。經(jīng)常談?wù)搶W(xué)校的傳聞捣辆，還有模仿教授們的言行蔬螟，大家大笑著，熱鬧非凡罪帖，還有活靈活現(xiàn)、奕奕如生的色情故事和即時(shí)新聞邮屁。在這種場合整袁，藤野對別人講的故事不聽不聞，臉上現(xiàn)出不安的神情佑吝，似乎在考慮著什么坐昙，有時(shí)從衣袋里拿出練習(xí)筆記本，不停地寫著什么芋忿。有一天夜里炸客，半夜醒來，山里靜悄悄的戈钢，月光照在爐灶上痹仙。小屋的外面有走路的腳步聲，我從席子的縫隙偷偷望出去殉了，看見青色的月光下开仰，藤野在信步而行。每天一起床薪铜，一吃完澆上醬湯的飯众弓，他就帶上經(jīng)緯儀和旗桿出門了。到了目的地隔箍，他放下器械谓娃，開始輪流觀測。藤野在別人當(dāng)班時(shí)蜒滩，有時(shí)坐在樹墩子上滨达，有時(shí)躺在草叢中奶稠，總是好像在思考著什么。終于輪到他當(dāng)班了弦悉，他急忙出來用器械觀察窒典，以極其熱心的程度閱讀度數(shù)，不管什么目標(biāo)稽莉，都經(jīng)常不出任何讀數(shù)上的差錯(cuò)瀑志。一旦等著做筆記的他的伙伴發(fā)現(xiàn)觀察錯(cuò)了目標(biāo)或提醒他讀數(shù)有錯(cuò)，他的臉便漲得通紅污秆，感到非常羞恥劈猪，變得戰(zhàn)戰(zhàn)兢兢。嘴里說著失敬了良拼、失敬了战得，大家都想盡量不讓藤野去閱讀，可是行不通庸推，還是輪流去閱讀常侦。于是有一次不知為什么錯(cuò)了五回，這一次他感到非常羞恥贬媒，一臉悲傷聋亡。而且抱著褲子的膝蓋陷入沉思。就這個(gè)樣子际乘，兩星期時(shí)間大部分過去了坡倔，像是在即將撤退回去之前幾天，一天下著傾盆大雨脖含，大霧彌漫罪塔，什么工作也沒有。正當(dāng)我們在小屋閉門不出养葵，倒頭大睡時(shí)征堪，藤野的筆記本落在了我的旁邊，我毫不在意地?fù)炱鹨豢垂鼐埽灰娎锩鎶A著一枚畫著山里的許多龍膽花的書簽请契，有各種各樣亂涂的畫。其中在畫家的女人頭上有幾朵銀杏花夏醉，還有“命運(yùn)”之類的字用各種各樣的書寫體大量地爽锥、漫不經(jīng)心地涂寫著。臉沖上睡著的藤野起身一看畔柔，連一下子變白了氯夷，但什么也沒說。
八 りんどう
同じ級に藤野（ふじの）というのがいた靶擦。夏期のエキスカーションに演習(xí)林へ行く時(shí)によく自分と同じ組になって測量などやって歩いた腮考。見ても病身らしい雇毫、背のひょろ長い、そしてからだのわりに頭の小さい踩蔚、いつも前かがみになって歩く男であった棚放。無口で始終何かぼんやり考え込んでいるようなふうで、他の一般に快活な連中からはあまり歓迎されぬほうであった馅闽。しかしごく気の小さい好人物で柔和な目にはどこやら人を引く力はあった飘蚯。自分はこの男の顔を見ると、どういうわけか気の毒なというような心持ちがした福也。この男の過去や現(xiàn)在の境遇などについては當(dāng)人も別に話した事はなし局骤、他からも聞いた事はなかったが、何となしに不幸な人という感じが暴凑、初めて會(huì)うた時(shí)から胸に刻みつけられてしまった峦甩。ある夏演習(xí)林へ林道敷設(shè)の実習(xí)に行った時(shí)の事である。藤野のほかに三四人が一組になって山小屋に二週間起臥（きが）を共にした现喳。山小屋といっても凯傲、山の崖（がけ）に斜めに丸太を橫に立てかけ、その上を蓆（むしろ）や杉葉（すぎば）でおおうた下に板を敷いて嗦篱、めいめいに毛布にく
るまってごろごろ寢るのである冰单。小屋のすみに石を集めた竈（かまど）を築いて、ここで木こりの人足が飯をたいてくれる默色。一日の仕事から帰って來て球凰、小屋から立ちのぼる青い煙を?qū)溃à饯肖撙粒─橐娚悉菠毪韦嫌淇欷扦ⅳ盲渴ㄍ取￥长螭市∥荬扦庹àΔ粒─貛ⅳ盲郡瑜Δ市某证沥摔胜胪仍住Ｒ工摔胜毪忍炀瓮杼椁膜毪筏骏楗螗驻喂猡思蓼胂xを追いながら、必要な計(jì)算や製図をしたり缘厢、時(shí)にはビスケットの罐（かん）をまん中に吃度、みんなが腹ばいになってむだ話をする事もある。いつもよく學(xué)校のうわさや教授たちのまねが出てにぎやかに笑うが贴硫、またおりおり若やいだなまめかしいような話の出る事もあった椿每。こんな時(shí)藤野は人の話を聞かぬでもなく聞くでもなく、何か不安の色を浮かべて考えているようであるが英遭、時(shí)々かくしから手慣れた手帳を出してらく書きをしている间护。一夜夜中に目がさめたら山はしんとして月の光が竈の所にさし込んでいた。小屋の外を歩く足音がするから挖诸、蓆のすきからのぞいて見ると汁尺、青い月光の下で藤野がぶらりぶらり歩いていた。毎朝起きるときまりきった味噌汁（みそしる）をぶっかけた飯を食ってセオドライトやポールをかついで出かける多律。目的の場所へ著くと器械をすえてかわるがわる観測を始める痴突。藤野は他人の番の時(shí)には切り株に腰をかけたり草の上にねころんだりしていつものように考え込んでいるが搂蜓、いよいよ自分の番になると急いで出て來て器械をのぞき、熱心に度盛りを読んでいるが辽装、どういうものか時(shí)々とんでもない読み違いをする帮碰。ノートを控えている他の仲間から、それではあんまりちがうようだがと注意されて読み違えたことに気がつくと拾积、顔をまっかにして非常に恥じておどおどする殉挽。どうも失敬した失敬したと言い訳をする。なるべく藤野には読ませぬようにしたいとだれも思ったろうが殷勘、そういうわけにも行かぬのでやはり順番で読ませる此再。すると五回に一度は何かしら間違えてそのたびに非常に恥じて悲しい顔をする。そしてズボンのひざをかかえていっそう考え込むのである玲销。こんなふうで二週間もおおかた過ぎ输拇、もう引き上げて帰ろうという少し前であったろう。一日大雨がふって霧が渦巻（うずま）き贤斜、仕事も何もできないので策吠、みんな小屋にこもって寢ていた時(shí)、藤野の手帳が自分のそばに落ちていたのをなんの気なしに取り上げて開いて見たら瘩绒、山におびただしいりんどうの花が一つしおりにはさんであって猴抹、いろんならく書きがしてあった。中に銀杏（いちょう）がえしの女の頭がいくつもあって锁荔、それから Fate という字がいろいろの書體でたくさん書き散らしてあった蟀给。仰向きに寢ていた藤野が起き上がってそれを見ると、青い顔をしたが何も言わなかった阳堕。
九．楝樹花
? 有一年夏天跋理，我因?yàn)槟X子不好，在親屬的照料下恬总，去鄉(xiāng)下玩了大約有一個(gè)月前普。屋前流淌著發(fā)出響聲的清澈的水溝。狹窄的村間小道的對面一側(cè)壹堰，是一片青田拭卿，對面可以看見德川家族以前的小小城跡的丘陵。老式的帶房頂?shù)拈T廊近旁贱纠，高大的楝樹伸展著茂密的樹枝峻厚，為太陽咄咄逼人的道路準(zhǔn)備了清涼的遮蔭傘。一天谆焊，在酷暑中出了門惠桃，到樹陰中的木桶屋里，為吊水桶和木桶安箍。清掃干凈的道路上刽射，到處是削下來的青竹碎屑和刨花碎屑军拟，楝樹花撒了一地。修木桶的是一位有一臉黑麻子的怪癖的男子誓禁，布手巾下面的汗衫里懈息，露出黑黑的胸毛、強(qiáng)壯的手腕揮動(dòng)著木槌摹恰。槌子的聲音在對面的丘陵中回響著辫继，響遍整個(gè)寂靜的村子。稻田里俗慈，強(qiáng)烈的陽光耀眼地照射著姑宽，田野看上去似乎在酷暑中睡著了。朝著這邊的羅宇屋走來一個(gè)人闺阱，將行李卸在修木桶的屋子旁邊炮车。他穿著老式樣的、由于過于瘦小而胸前合不攏的小倉布西服酣溃，腰以下是日本式瘦筒褲綁腿瘦穆，赤腳穿著草鞋。一頂舊禮帽一直蓋到眉梢赊豌，腦袋剃得光光的扛或，好像是個(gè)僧人〉獗“今天又在捕鰹魚嗎熙兔？”羅宇屋的搭話說。修木桶的回答“哪能捕呢艾恼？這些日子即使捕住涉，也都要用汽船裝運(yùn)到上游去，這兒的河口是排卵的蒂萎「殉常”一邊說一邊通通地敲著桶淮椰。正在門廊的房梁上筑巢的燕子從田野飛回來五慈，又飛了出去。羅宇屋的叼著煙袋嘴主穗，很欽佩似的眺望著泻拦，說：“鳥類中再?zèng)]有比燕子更讓人欽佩了『雒剑”將前面擱置的話題又提了起來争拐。說是村子里的老房子，燕子從去年開始筑巢挨摸，有一天主人對燕子戲言道：“您長年在我家借宿跟继，偶爾也該送一個(gè)禮物給我，怎么樣欺劳？”于是绑雄，第二年燕子回來的時(shí)候展辞，正好趕上主人在吃飯，飛過膳食上面時(shí)万牺，落下了一粒小小的樹種罗珍。主人一點(diǎn)也沒有注意，將它拋到了庭院里脚粟，馬上在這里長出了奇妙的樹木覆旱。不論是誰都要去看一看，這可是一棵從未聽說的奇怪的樹核无。在這棵樹的成長過程中扣唱，樹枝上也好，樹葉上也好团南，都粘附著一大片令人作嘔的毛蟲画舌，看上去怪可憐的主人將這棵樹拔起來，劈成燒洗澡水的引火柴已慢。這時(shí)曲聂，城里的醫(yī)生正好經(jīng)過，也為這遺憾的事情而嘆息佑惠。在問了是怎么回事之后朋腋，說這好像是我國求之不得的麝香啊膜楷！
說到這里旭咽，他一個(gè)人講完了，煞有介事地樣子吹著煙鍋赌厅。修木桶的一邊砰砰敲著木桶穷绵，一邊一聲不吭地聽著，這時(shí)看了一下自己這邊特愿，露出奇怪的眼神仲墨，問道：“那么這所謂的麝香，是這樹的事情呢揍障，還是毛蟲的事情呢目养？”“嗯，這……麝香還有許多種類嘛毒嫡！”他這樣回答癌蚁，還說這是誰也弄不明白的事情。修木桶的再怎么問，也得不到回答努释。敲木桶的聲音在對面的丘陵中回響著碘梢，楝樹花啪啦啪啦地散落在地上。
（明治四十一年十月伐蒂，子規(guī)）
九 楝の花
一夏痘系、脳が悪くて田舎（いなか）の親類のやっかいになって一月ぐらい遊んでいた。家の前は清い小みぞが音を立てて流れている饿自。狹い村道の向こう側(cè)は一面の青田で向こうには徳川以前の小さい城跡の丘が見える汰翠。古風(fēng)な屋根門のすぐわきに大きな楝（おうち）の木が茂った枝を広げて、日盛りの道に涼しい陰をこしらえていた昭雌。通りがかりの行商人などがよく門前で荷をおろし复唤、門流れで顔を洗うたぬれ手ぬぐいを口にくわえて涼んでいる事がある。一日暑い盛りに門へ出たら烛卧、木陰で桶屋（おけや）が釣瓶（つるべ）や桶のたがをはめていた佛纫。きれいに掃いた道に青竹の削りくずや鉋（かんな）くずが散らばって楝（おうち）の花がこぼれている。桶屋は黒い痘痕（とうこん）のある一癖ありそうな男である总放。手ぬぐい地の肌著（はだぎ）から黒い胸毛を現(xiàn)わしてたくましい腕に木槌（こづち）をふるうている呈宇。槌の音が向こうの丘に反響して靜か
な村里に響き渡る。稲田には強(qiáng)烈な日光がまぶしいようにさして局雄、田んぼは暑さに眠っているように見える甥啄。そこへ羅宇屋（らうや）が一人來て桶屋（おけや）のそばへ荷をおろす。古いそして小さすぎて胸の合わぬ小倉（こくら）の洋服に炬搭、腰から下は股引腳絆（ももひききゃはん）で蜈漓、素足に草鞋（わらじ）をはいている。古い冬の中折れを眉深（まぶか）に著ているが宫盔、頭はきれいに剃（そ）った坊主らしい融虽。「きょうも松魚（かつお）が捕（と）れたのう」と羅宇屋が話しかける灼芭。桶屋は「捕れたかい有额、このごろはなんぼ捕れても、みんな蒸気で上（かみ）へ積み出すからこちらの口へははいらんわい」とやけに桶をポンポンたたく彼绷。門の屋根裏に巣をしているつばめが田んぼから帰って來てまた出て行くのを巍佑、羅宇屋は煙管（きせる）をくわえて感心したようにながめていたが「鳥でもつばめぐらい感心な鳥はまずないね」と前置きしてこんな話を始めた。村のある舊家につばめが昔から巣をくうていたが苛预、一日家の主人がつばめに「お前には長年うちで宿を貸しているが句狼、時(shí)たまにはみやげの一つも持って來たらどうだ」と戯れに言った事があった笋熬。そしたら翌年つばめが帰って來た時(shí)热某、ちょうど主人が飯を食っていた膳（ぜん）の上へ飛んで來て小さな木の実を一粒落とした。主人はなんの気なしにそれを庭へほうり出したら、まもなくそこから奇妙な木がはえた昔馋。だれも見た事もなければ聞いた事もない不思議な木であった筹吐。その木が生長すると枝も葉も一面に気味の悪い毛蟲がついて、見るもあさましいようであったので主人はこの木を引き抜いて風(fēng)呂（ふろ）のたきつけに切ってしもうた秘遏。その時(shí)ちょうど町の醫(yī)者が通りかかって丘薛、それは惜しい事をしたと嘆息する。どうしてかと聞いてみると邦危、それはわが國では得がたい麝香（じゃこう）というものであったそうな洋侨。ここまで一人でしゃべ
ってしまってもっともらしい顔をして煙を輪に吹く。ポンポン桶をたたきながら黙って聞いていた桶屋（おけや）はこの時(shí)ちょっと自分のほうを見て変な目つきをしたが倦蚪、「そしてその麝香（じゃこう）というのはその木の事かい希坚、それともまた毛蟲かい」と聞く、「ウーン陵且、そりゃあその裁僧、麝香にもまたいろいろ種類があるそうでのう」と、どちらともわからぬ事をいう慕购。桶屋はしいて聞こうともせぬ聊疲。桶をたたく音は向こうの丘に反響して楝（おうち）の花がほろほろこぼれる。
（明治四十一年十月沪悲、ホトトギス）
