薔薇の檻

アムリッツア星域會戦を圧勝したローエングラム陣営は皇帝フリードリヒ4世の死去の報を聞き、
門閥貴族との戦いを想定して早々に首都星オーディンへと帰還を果たした锌蓄。

先行してオーディンへ戻ったオーベルシュタインと合流し介却、
ラインハルトは今後の計畫を練り上げる事となる慎菲。

その間辩诞、ラインハルトはキルヒアイスに軍の統(tǒng)制を一任しロイエンタールとミッターマイヤー等と共に
あらゆる事態(tài)でも柔軟に対応出來るよう軍の再編成を行うことに終始した。

最終的な打ち合わせをかねてラインハルトはオーベルシュタインを伴わせ
キルヒアイスと合流し酒朵、計畫の総まとめに入る膀估。

そこでオーベルシュタインが持ち出した同盟軍の分裂案を聞き、
キルヒアイスはオーベルシュタインの有能さをまた改めて感じる事になった耻讽。

「むやみに騒亂を起こさせるというやり方は好みではないが…
現(xiàn)狀ではこちらにも兵力を割く余裕はない…最善の策だろう」
少し考え込むようになったキルヒアイスにラインハルトがそう言うと、キルヒアイスは言葉を返した帕棉。

「…確かに针肥、同盟軍を視野に入れないですむのなら、軍編成にもかなり余力が殘りますね」
ラインハルトの提案にあわせて軍の編成に一部修正を加えるという形で打ち合わせは終わる香伴。

そしてそのままキルヒアイスはラインハルトに別れの挨拶をして軍の打ち合わせへと向かった慰枕。

「キルヒアイス提督はどうやらこの作戦をお気に召さないようですな…」
ラインハルトにそんな言葉を漏らすオーベルシュタインである。

どうやらオーベルシュタインにはラインハルトがキルヒアイスを
作戦會議に參加させた事に異論があるようだ即纲。

「…そんな事はない具帮。卿はなぜいちいちキルヒアイスの事となるとそんなに突っかかるのだ。
…少々大人気がないのではないか?」

「心外ですな…理由はいつも申し上げている筈です」
オーベルシュタインは表情を変えずにそう言うと會議機(jī)にちらばった書類をまとめ始める蜂厅。

「…私は別に卿に不満がある訳ではないし匪凡、能力を疑っている訳ではない…
私はキルヒアイスの能力を誰よりも高く評価し、そして信じている…ただそれだけだ」

今回の打ち合わせでキルヒアイスに計畫の改善案をいくつか指摘され掘猿、
より計畫が完璧なものになったのは確かである病游。

だがオーベルシュタインが問題にしているのはまさにそこなのだ。
キルヒアイスはラインハルトに劣らずどの分野に対しても有能すぎる稠通。

ラインハルトがキルヒアイスに全面的に任せている分野に関しては
ラインハルトの能力を上回る部分も多々見受けられる程だ衬衬。

優(yōu)秀な人材を集めたローエングラム陣営の首脳部に於いてもそれは群を抜いている。
だからこそオーベルシュタインはキルヒアイスを認(rèn)める訳にはいかない改橘。

「…ほどほどにしておけよ滋尉、オーベルシュタイン。アイツが笑って受け流している內(nèi)はまだいい…
だが飞主、アイツを本気で怒らせたら…正直オレにも止められないぞ」

キルヒアイスを本気で怒らせるなど自分やアンネローゼの事以外は
およそ不可能な事ではあるのだけれど…

內(nèi)心でラインハルトはそんな事を考えながらオーベルシュタインにとどめの言葉をかける狮惜。

「キルヒアイスはオマエの上官だ…その事を忘れるな」
ラインハルトの言葉にオーベルシュタインは一禮で答え會議室を後にした。

後にオーベルシュタインはこの時の會話を思い返す事になる既棺。

まもなくして門閥貴族の間でブラウンシュヴァイク公を盟主とした「リップシュタット連合」が結(jié)成され讽挟、
皇帝派のラインハルトとリヒテンラーデ侯に対して全面戦爭の體制を整えられた。

こうして帝國は皇帝派と門閥貴族とに別れ丸冕、內(nèi)戦を始める事になる耽梅。

「おはようございます…キルヒアイス提督」
ラインハルトの執(zhí)務(wù)室に來たキルヒアイスにそう挨拶を返してきたのは、
マリーンドルフ伯爵令嬢であるヒルデガルド?フォン?マリーンドルフである胖烛。

先日ラインハルトがヒルダと話した會話の內(nèi)容をキルヒアイスに話したところ眼姐、
キルヒアイスが強(qiáng)い関心を示しローエングラム陣営の秘書官に推薦したのだ。

ヒルダの方も父親がカストロプ動亂で人質(zhì)になった所をキルヒアイスに救われていた為佩番、
いい恩返しになると二つ返事で引き受けた众旗。

「どうですか…仕事の方は。男所帯ですから趟畏、何かと大変でしょう」
「ええ…ですが贡歧、やりがいもありますわ。私は皆様のお役にたっておりますでしょうか」

帝國はまだまだ男性社會である赋秀。
この人事は帝國でも先進(jìn)的な人事といえよう利朵。

「勿論ですとも…私の方も忙しくて、中々閣下のお傍にいて差し上げられないので
本當(dāng)に助かっていますよ猎莲。事務(wù)処理能力も気が利いていて仕事が捗ると
元帥閣下も本當(dāng)に感心しておられました」

「恐れ入ります…」
ヒルダがキルヒアイスに禮をいうと绍弟、キルヒアイスは笑顔でそれに答える。
実際ラインハルトの要求にあわせて仕事をするのは至難の業(yè)なのだ著洼。

キルヒアイスの手際の良さに慣れたラインハルトは指示を最小限にしか出さないため樟遣、
仕事をすぐにこなせない人間だとラインハルトをすぐ苛立たせてしまう而叼。

「來たか…キルヒアイス!」
「はい、閣下…いよいよ、ですね」
オーベルシュタインを伴わせラインハルトが執(zhí)務(wù)室にやってくると点待、
門閥貴族たちの間でラインハルトを暗殺する動きがある事が分かったのだ粥喜。

これを機(jī)にラインハルトは軍を動かし、一気に政権奪取を目論んでいた。

「これからは貴族連合との全面対決になります…おそらく市街戦になるでしょう。
その前にフロイライン?マリーンドルフを一度、陣営から退かせてはいかがか」

ここにいれば間違いなく同じ門閥貴族からは敵として扱われてしまう涡尘。

オーベルシュタインの言葉にラインハルトはヒルダに返事を求めるように顔を向けた。
ラインハルトはヒルダの意志を尊重する事にしたのである响迂。

「お気遣い有難うございます…ですが考抄、すでに父に言って屋敷のものは避難させておりますし、
私も覚悟は出來ております川梅。ご心配には及びませんわ」

事前にこの狀況を読んでいたヒルダは待侵、この日の為にすでに準(zhǔn)備を整えていたのである。
この慧眼振りにはキルヒアイスも感心せずにはいられない。

「…流石にこのお二人のご推薦を受けて首席秘書官に抜擢されるだけあって優(yōu)秀であられる…
うかうかしていては私の仕事を奪われかねませんな」

オーベルシュタインがそう言うと、キルヒアイスがその言葉を受けるようにしてそれに答えた。

「…貴方の素直な褒め言葉惯驼、私初めて聞きましたよ」
「まあ抖部、最初はてっきり私のお目付け役にでもするつもりかと思っておりましたので…」

獨身のラインハルトに女性の秘書官をつけると聞いた時には反対したオーベルシュタインだが
優(yōu)秀な人材に男女の差別などはしない言询。

「ククク…それもいいかもしれませんね辆憔。考えても見ませんでした」
「本気にしないで頂きたい…キルヒアイス提督」

ヒルダは二人の會話はまるで貍の化かし合いのようだと感じていた逸雹。
こんな言い合いをするオーベルシュタインを初めて目にするヒルダである。

「閣下、このお二人…仲が宜しいんですの?」
「…あれが、仲良くしているように見えるとは貴方も大概大物だな」

ラインハルトとヒルダが小聲でそんな會話を交わしていた事を二人は知らない。

結(jié)局ヒルダは今の狀況が落ち著くまではアンネローゼと共に屋敷で暮らす事になる。
アンネローゼも良い話し相手が出來た、と喜んでヒルダを迎え入れたのだった。

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※18歳未満は閲覧をご遠(yuǎn)慮ください猿妈。

ついに門閥貴族はラインハルト暗殺の為に兵を繰り出し、市街戦が始まった芬萍。
それと同時にかねてより予定していた通りキルヒアイスは軍を動かす漫蛔。

作戦は功を奏し各省はローエングラム陣営に全て掌握されリヒテンラーデ侯の拘禁に成功した毯盈。

リップシュタット連合軍を名乗る門閥貴族たちも3分の1までは拘禁に成功するが、
盟主であるブラウンシュバイク公とその副盟主のリッテンハイム侯を取り逃してしまう捺信。

「…萬事雨席、計畫通り首尾よく言ったようだな」
「は…すでにキルヒアイス提督が大本営を軍務(wù)省へ移動させました」
ラインハルトは早速軍務(wù)省へ向かうべく準(zhǔn)備を整えるとアンネローゼに聲をかけて屋敷を後にする糙置。

「では姉上…いってまいります。ここはキルヒアイス直屬の軍が
守っておりますのでご安心ください…フロイライン、貴女にも一緒に來て頂きたい」
「…かしこまりました」
「ラインハルト阱佛、それにヒルダさんも…気を付けてお行きなさい」
アンネローゼに気遣われながら催首、ラインハルトはヒルダを連れて軍務(wù)省へと急いだ分井。

軍務(wù)省でキルヒアイスに出迎えられたラインハルトは坛悉、
引き続き門閥貴族への対処に追われる事になる。

「ガイエスブルグ要塞抖甘、か…」
門閥貴族の逃亡先がガイエスブルグ要塞である事がここに來て確認(rèn)出來た。

イゼルローン要塞よりは二回り程小さい人口天體だが
主砲の威力はイゼルローン要塞の主砲トールハンマーにも劣らない狱意。

リップシュタット連合軍の盟主、副盟主がそこにいるとなると娃属、
ラインハルト自ら出撃してこれを撃滅しなくてはならない六荒。

まさにイゼルローン攻略戦の前哨戦である。

そこでラインハルトは地方の混亂を収めるために矾端、
キルヒアイスに辺境星域の制圧を一任する事になった掏击。

ここで二人は別行動をとって貴族連合と立ち向かう事になるのだが、
この時別行動を取った事により引き起こされてしまうヴェスターラントの虐殺を予見しようもなかった秩铆。

その後砚亭、ブラウンシュバイク公の親戚が領(lǐng)主をつとめていたヴェスターラントで地方叛亂が発生し
民衆(zhòng)の手によってその領(lǐng)主が殺されてしまうという事件が起こった。

そこで怒りを露わにしたブラウンシュバイク公がヴェスターラントへ向けて熱核攻撃を敢行する殴玛。
そうして惑星に生きる民衆(zhòng)200萬の命が一瞬にして奪われてしまったのだ捅膘。

キルヒアイスの元にヴェスターラントに纏わる不穏な噂が入ってきたのは、
キルヒアイスが副盟主であるリッテンハイム侯の軍を打ち破った後の事である滚粟。

ラインハルトがヴェスターラントの虐殺を黙認(rèn)したというのである寻仗。

キルヒアイスは報告を聞いた後、オーベルシュタインの補(bǔ)佐をさせている
フェルナー準(zhǔn)將から話の詳細(xì)を聞き出してその事実確認(rèn)をとった凡壤。

(オーベルシュタイン…っJ鹩取)
キルヒアイスはわなわなと身體を震わせこれまでにない程の怒りを露わにする。

門閥貴族を滅ぼす大義名分の為に200萬の民を犠牲にしただけでなく
その罪をラインハルトに被らせたのだ亚侠。

(私が奴を野放しにしておいたからだ…ラインハルト様をこれだけ辱めるとはっ)

早くあの人の元へ行かなくてはならない曹体。あの人が私を待っている。
オーベルシュタインを御しえなかった自分を責(zé)め続けているに違いない盖奈。

キルヒアイスは辺境星域の制圧を早々に終えるとその場を部下に任せ混坞、
休む間もなくラインハルトの待つガイエスブルグ要塞を目指した。

ラインハルトの旗艦ブリュンヒルトに到著すると、
キルヒアイスは供を付き添わせないままラインハルトのいる部屋へと向かった究孕。

キルヒアイスだけが専用のカードキーを使って
自由にラインハルトの部屋に出入りする事が出來る啥酱。

キルヒアイスが部屋へ入ると部屋の明かりは真っ暗で
洗面所からはかすかに明かりが漏れている。

洗面所へキルヒアイスが近づくとラインハルトが手を真っ赤にさせる程に厨诸、
力を入れてゴシゴシと手を洗い続けていた镶殷。

「ラインハルト様…っ!微酬!」
「なぜ绘趋、血が…とれない。洗っても颗管、洗っても…手に陷遮、血がっ!」
常軌を逸した目をしながら手を洗い続けるラインハルトの姿に
キルヒアイスは背後から抱きしめてそれを制した垦江。

「キルヒ帽馋、アイス…?なぜ比吭、ここに绽族?」
正気に戻ったラインハルトがキルヒアイスの姿を見つけ、
何故ここにいるのかと困惑の表情を浮かべているとキルヒアイスが耳元で囁く衩藤。

「…私を呼んだでしょう吧慢?」
「……っ!」
キルヒアイスがそういってラインハルトの身體を宥めるように抱きしめると赏表、
ラインハルトは涙を浮かべ表情を歪ませる检诗。

キルヒアイスが何もかも分かって自分の元にやってきてくれたのだと安堵すると
ラインハルトは全身の力を抜いてキルヒアイスに身を委ねた。

「キルヒアイス…底哗、…キルヒ岁诉、アイ…スっ」
身體の向きを変え向かい合うように抱き合いながらラインハルトは
キルヒアイスの名前を何度も呼んではキルヒアイスに縋りつく。

「オレが…オマエの忠告を聞かなかったから…オレが跋选、オレが殺したんだ…っ涕癣!」

キルヒアイスが何度も自分に忠告していた。
オーベルシュタインは危険な男だと…それなのに…

ラインハルトの中で失われた200萬の命が悲鳴を上げている前标。
キルヒアイスの思った通りラインハルトは自分を責(zé)め続けていたのだ坠韩。

「もう、大丈夫です…私が貴方の望みを葉えて差し上げます炼列。
もう苦しくなくなりますよ…さあ只搁、願いを言って?」

罰が欲しいのか俭尖、許しが欲しいのか氢惋。

「あ…」
「貴方が萬民の神である必要はない…他人の犯した罪まで背負(fù)う必要もない洞翩。
貴方の中には私だけでいい、私だけの貴方でいればいい…そうでしょう焰望?」

キルヒアイスの甘い囁きにラインハルトはついに墮ちた骚亿。

「…オレに罰を…めちゃくちゃにして、オレを罰して…くれ熊赖!」
ラインハルトの言葉にキルヒアイスはラインハルトを抱き上げると来屠、亂暴にベッドへ放りなげる。

ラインハルトのシャツのボタンが弾け飛びラインハルトの裸體が曬されると
キルヒアイスが軍服の上著を脫いでラインハルトの身體に覆い被さる形になった震鹉。

「貴方にこれから罰を與えます…貴方の中にある罪は全て私が壊します俱笛。
なにもかも壊して…欠片も殘さない」

そう言ってキルヒアイスがラインハルトの首に手をかける。

「ぐ…ううっ传趾!」
「さあ…足を開いて迎膜、このまま串刺しにしてあげるから」

首を絞められて呻くラインハルトが涙を浮かべながら、
両足をM字型に開くとラインハルトの奧の窄まった場所にキルヒアイスの兇器があてがわれた浆兰。

「あ星虹!…んんっ」
まだ慣らしてもいない筈の場所が、すでに勃起したラインハルトのものから
漏れ始めている粘液で濡れていた镊讼。

「ひ…ひいあっ!」
「もう濡れてる…そんなに欲しいんですか平夜?」
キルヒアイスの硬いものがラインハルトの奧をこじ開けるように強(qiáng)引に押し付けられると蝶棋、
楕円を描くように撫でつけられていく內(nèi)にラインハルトの濡れた入口がヒクヒクと口を開き始める。

「うあ…っあ忽妒、あああ…っM嫒埂!」
キルヒアイスが強(qiáng)引にラインハルトの中に自身を捻じ込むと
痛みのあまりにラインハルトが絶叫し段直、シーツは血に染まった吃溅。

ラインハルトの痛みが治まるのを待つこともなくキルヒアイスが中を掻き回し始める。

「い…痛…いっ鸯檬、…うっうう决侈、苦…し」
腰を抱え上げられ真上から身體を串刺しにされながらラインハルトは悲鳴を上げ続けた。

「貴方の流した血が…溢れて喧务、零れて…いますよ…」
キルヒアイスの言葉にラインハルトは表情を歪め顔を背けると
キルヒアイスが再び強(qiáng)引にそちらに顔を向けさせる赖歌。

「これは貴方の血だ…誰の血でもない」
そういってキルヒアイスはシーツに浮かぶ血を指先で拭い取り、
ラインハルトに見せつけるように血を舐めた功茴。

ラインハルトがその様子を眺めているとキルヒアイスが唇を重ねてくる庐冯。

「ん…んうっ…う」
苦い口づけと痛みだけのセックス。

首を絞めつけられたままラインハルトは串刺しにされ
熱くなったラインハルトの根元は固く紐で縛りつけられていた坎穿。

「苦し…苦し…い展父、キルヒ…アイ返劲、ス…」
ラインハルトは涙を流して苦しみながらその愉悅に浸り、腰を激しく振って痛みに悶える栖茉。
自分に罰を與え痛めつけ苦しめる事によってラインハルトは罪から解放される事を望んでいるのだ篮绿。

「そう…もっと、…あげますから衡载、ね」
「…あっああ…あんっ搔耕!…して、もっと痰娱、キルヒアイスFァ!」
キルヒアイスの爪先がラインハルトの勃起した先端をグリグリと刺激すると
ラインハルトは首を左右に激しく振って全身を身悶えさせる梨睁。

「なに…っ>ňΑ?や…痛いF潞亍官辈!…駄目えええっ」
ラインハルトの先端にキルヒアイスが細(xì)い管のようなものを突き刺したのだ。
そしてラインハルトの根元を縛り付けていた紐をキルヒアイスが外す遍坟。

「で拳亿、出る…っ、や愿伴、やあああ…っ肺魁!」
がたがたと震え出すラインハルトにキルヒアイスが先端に突き刺した管を
グチュグチュといじってやると腰を震わせてラインハルトはイッてしまった。

「あ…隔节?はあ…はっ」
先端に突き刺された管からポタポタと粘液が零れ落ちてくる鹅经。

息が整わないまま口を大きく開けて、ピクピクと痙攣したようになっている
ラインハルトの頬をキルヒアイスが手の甲で愛おしそうに撫で上げた怎诫。

TEXT_赤金「薔薇の檻」-3
※18歳未満の方は閲覧をご遠(yuǎn)慮ください瘾晃。

「もうお分かりでしょう…?痛みや苦しみでは貴方の心に傷を負(fù)わせる事は出來ない」

痛みだけで絶頂に達(dá)したラインハルトにキルヒアイスがそう告げると
ラインハルトの目に正気の色が帯びてくる幻妓。

「キルヒ蹦误、アイス…」
「貴方は苦しみや痛みの中にあっても…歓びを得る事が出來る」
キルヒアイスの言葉にラインハルトは目を瞠らせた。

「…貴方は決して傷つかない肉津、大丈夫…大丈夫胖缤、なんですよ…貴方は」
「キルヒアイス…っ」
ラインハルトがキルヒアイスに両手を伸ばしてキルヒアイスの身體を抱き寄せると、
キルヒアイスがラインハルトを宥めるように角度を変えながら
觸れるだけの口づけを何度も繰り返す阀圾。

「貴方は何者にも汚せない…汚されない」
睦言のようにそう言ってキルヒアイスは擦り過ぎて赤くなったラインハルトの両手を軽く握り唇を寄せた哪廓。

「私が綺麗に洗って差し上げます…だから、もうこれ以上
ご自分で身體を傷つけるのはやめて下さいね」

ラインハルトが自分の両手を見るともうそこは赤い血で染まってはいなかった初烘。
洗面臺であれ程洗っても消えなかった血の染みが消えている涡真。

「手…もう血に染まってない」
「そう…それはよかった」
ラインハルトはようやく平靜を取り戻し安堵の溜息を漏らす分俯。

キルヒアイスはそんなラインハルトの様子を見守りながらラインハルトの頬に唇を寄せた。
そしてそのままラインハルトの拘束を解いてキルヒアイスがラインハルトを抱き上げる哆料。

ラインハルトをシャワールームに連れて行くと湯船にお湯を溜めながら
キルヒアイスはラインハルトを背後から抱いて湯船に腰を下ろした缸剪。

そうして溜まっていく湯を手で掬いながらキルヒアイスがラインハルトの身體を洗い流す。

「…オマエだけがオレを裁ける东亦、オレを救える」
「そうです…貴方だけが私を裁ける杏节、私を救える」
ラインハルトの呟きを肯定で返しながらキルヒアイスは
ラインハルトの身體をまさぐると、ラインハルトが身を震わせてそれに答える典阵。

「…んう奋渔、は…キルヒアイス、オレには…オマエが壮啊、いる」
「ええ…私には貴方がいる嫉鲸。恐れるものなどなにもない…そうでしょう歹啼?」
キルヒアイスの言葉にラインハルトは笑みを浮かべてキルヒアイスの愛撫にその身を委ねた玄渗。

「そうだ、オレたちは何者にも負(fù)けない…狸眼、あ…ああっあ藤树、キルヒアイス…っ!」

ラインハルトが背を向けたまま拓萌、顔をキルヒアイスに向けると
キルヒアイスがラインハルトの唇を強(qiáng)く吸い上げる也榄。

ラインハルトの胸元を飾る尖る突起をキルヒアイスが指先で強(qiáng)く捩じ上げると、
ラインハルトはビクビクと身體を震わせて白濁の粘液を撒き散らせて射精してしまう司志。

ラインハルトの素直な身體への褒美のようにキルヒアイスが胸元の突起と
ラインハルトの勃起した先端を指先で優(yōu)しく撫で上げた。

「は…っはあ…あん」
「さあ…もっと出して降宅。貴方のいやらしい液を全て私に吐き出しておしまいなさい」
キルヒアイスの甘く囁く言葉にラインハルトは蕩けるような顔を浮かべてそれに答える骂远。

二人は互いにだけ淺ましくて欲望にまみれたその姿を曝け出せる。
その存在全てを受け入れる事に歓びを感じ腰根、相手を愛おしく感じる事が出來るのだ激才。

互いの存在があれば世界中の何者からの許しも二人は必要としない。

「ん…んんっ额嘿、キルヒアイス…欲し」
「ええ…いくらでも瘸恼、あげますよ」
貪欲なラインハルトの身體に答えるようにキルヒアイスはラインハルトの奧へ指を伸ばす。

血に塗れたその場所は痛みが先に來るはずなのに册养、
ラインハルトはその痛みにキルヒアイスをより強(qiáng)く感じている东帅。

「…ああ、私の指先にこんなに貴方の內(nèi)壁が絡(luò)みついて…指先が熱くて溶けてしまいそうだ」

「あ球拦、あん…んうっイイ…して靠闭、早く帐我!」
ラインハルトの懇願にキルヒアイスは指先をラインハルトの奧から引き抜くと
下から突き上げるようにしてラインハルトの奧をキルヒアイス自身の熱くなったもので抉った。

「はあ…あっんううう…う」
ラインハルトの嬌聲とラインハルトの中から漏れるグチュグチュと濡れた音が
シャワールームに広がり二人の耳を刺激する愧膀。

「フフ…こんなに拦键、美味しそうに銜え込んで…そんなに美味しい?」
「ん…美味檩淋、し…このまま芬为、グチュグチュ、に…食べた…い」
そしてキルヒアイスの大腿をクッションにするようにラインハルトの身體が
何度も跳ね上がり上下運動を繰り返し始めた蟀悦。

「あ…ん媚朦、は、あっ…や熬芜、ああん莲镣!」
ドクドクと內(nèi)壁に吐き出されるキルヒアイスの白濁の液を、
ラインハルトが全身を身悶えさせながら絞りあげる涎拉。

キルヒアイスはラインハルトが望むままその身をラインハルトに與え続けた瑞侮。

ラインハルトが身動き一つ出來なくなるまで相手をすると、
キルヒアイスはラインハルトを風(fēng)呂から抱え上げてベッドへと連れて行く鼓拧。

「お眠りください…ラインハルト様半火。後は私がなんとかします。
貴方が思い煩う事は全て私が片付けますから」

悪い夢を見たのだと季俩、キルヒアイスは目を伏せたラインハルトの瞼に
唇を寄せながらラインハルトに暗示をかけるようにその言葉を繰り返す钮糖。

そうしてラインハルトはキルヒアイスの聲を聴きながら
ここ數(shù)日得られなかった穏やかな眠りについたのだった。

キルヒアイスはラインハルトが寢靜まったのを確認(rèn)すると身體を起こし酌住、
脫ぎ捨てた軍服を身に著けてラインハルトの部屋を後にする店归。

司令室に著くとキルヒアイスは自分の名で艦隊を指揮する將官全員を旗艦ブリュンヒルトへ召集させた。

「…皆様酪我、本日はお忙しいところ召集をおかけして申し訳ありません」
キルヒアイスのその言葉から今回の召集の理由へと話題が移る消痛。

「…今回皆様をお呼びしたのは、軍內(nèi)で噂になっているヴェスターラントの虐殺の件についてです」
キルヒアイスの言葉に將官たちが顔を見合わせざわざわと騒ぎだす都哭。

「皆様にははっきりと申し上げましょう…私が調(diào)査したところ
今回の一件秩伞、元帥閣下はどうやら熱核攻撃後にその事実を知ったようです」

「探査艇は間に合っていたのに知らなかったなど…っ」
「そんな言い訳で皆を説得なさるおつもりか、キルヒアイス提督欺矫!」
キルヒアイスの言葉に將官たちは納得がいかず纱新、詳細(xì)な説明を求めた。

「私が言っているのはそのような次元の話ではなく穆趴、元帥閣下への報告を
故意に歪ませた人間がいたという事です…」

200萬の人間を生贄にして門閥貴族を滅ぼす大義名分を得るために…

「…オーベルシュタイン脸爱、か」
キルヒアイスの言葉にロイエンタールが嫌悪の表情を浮かべながらそう言葉を発すると、
皆が困惑の表情を浮かべ顔を見合わせる未妹。

「まさか…阅羹、そんな勺疼。なんと恐ろしい…」
「悪魔か…あの男は…」
皆が驚愕で顔を蒼褪める中、キルヒアイスがフェルナーを會議室へ呼ぶと捏鱼、执庐、
フェルナーの後ろからは身柄を拘束されたオーベルシュタインが続いて會議室へ入ってきた。

「…一體导梆、何の権限があって私にこんな真似を…元帥閣下を今すぐここへ呼んで貰おう轨淌!」
オーベルシュタインが會議室へ入るとその中央にいたのはラインハルトではなくキルヒアイスだった。

「キルヒアイス提督…っ」
キルヒアイスがオーベルシュタインの目の前に立ち塞がると
躊躇う事なくキルヒアイスがオーベルシュタインの頬を目がけて拳を打ち放つ看尼。

オーベルシュタインを拘束していた兵は慌てて身を離したが递鹉、
オーベルシュタインはまともにくらってしまい地面に倒れてしまった。

皆が唖然としてその様子を見守っている藏斩。

「こざかしい…この私を相手に元帥閣下の威を借るおつもりか」
これまでかつて聞いた事のない殺気に漲るキルヒアイスの聲である躏结。
普段ラインハルトの傍で穏やかに話しているキルヒアイスからは想像もつかない姿だ。

そういってキルヒアイスは地面に倒れ伏すオーベルシュタインの胸倉を摑んで狰域、
オーベルシュタインを立ち上がらせる媳拴。

「貴方はご自分の罪狀をすでにご承知の筈。貴方の身體を五體バラバラにして
ヴェスターラントの民衆(zhòng)に投げ與えても私は一向に構(gòu)わないのですがね…」
「ぐ…う兆览、うう」

キルヒアイスがそう言って屈溉、オーベルシュタインの身體を持ち上げながら首を締め上げた。

「…よりにもよって元帥閣下にその罪をなすりつけようとするとは…
貴方は恥というものを知らないのか」

オーベルシュタインの足元が地面を離れ抬探、身體がピクピクと痙攣を始めると子巾、
皆と一緒に呆気に取られて見つめていたミッターマイヤーが止めに入った。

「ま小压、待て…キルヒアイス线梗!気持ちは分かるが…そのままでは死んでしまうぞ…っ!」

ミッターマイヤーの言葉にキルヒアイスがオーベルシュタインの首から手を離すと
オーベルシュタインの身體が地面へと崩れ落ち片膝をつく形となる怠益。

「…貴方を元帥閣下に引き合わせたのは私の誤りでした仪搔。
私の命令に従うか、それとも処刑臺へ赴くか溉痢、どちらかを選びなさい」

ゴホゴホと絞められた首を抑えながらオーベルシュタインが言葉を返す。

「処刑臺…憋他?一體孩饼、何を言って…卿に何の、権利があって…そのような」
「…権利竹挡、ですって镀娶?笑わせないで下さい。
ローエングラム陣営の人事権は設(shè)営當(dāng)初から私に全て一任されているのです揪罕。
貴方の生殺與奪権も當(dāng)然私が握っている…」

キルヒアイスの言葉にオーベルシュタインの腰がガクリと地面に落ちた梯码。

「フェルナー準(zhǔn)將…オーベルシュタインの身柄を拘禁して下さい」
「は…っ」

オーベルシュタインはもう一言も言葉を発しなかった宝泵。

どちらを選ぼうと自分の生殺與奪権を握るキルヒアイスにしか選ぶ権利がない。
フェルナーに伴われオーベルシュタインは拘束されたまま會議室を出たのだった轩娶。

TEXT_赤金「薔薇の檻」-4
「…今回の一件はオーベルシュタインの獨斷専行を許してしまった私にあります儿奶。
このような事態(tài)が起きる前に私の立場をはっきりとさせておくべきでした■悖…申し訳ありません」

「別に卿だけの責(zé)任ではない…我々も事の真相を聞くまでは噂に揺さぶられていた闯捎。
不甲斐ない事だ…我々の元帥閣下がそのようなお方ではない事は分かっていた筈なのに…」

一致団結(jié)をしなければならない大切なこの時に噂ひとつで揺らいでしまうとは…
そういって皆が自己を戒めるようにキルヒアイスに頭を下げた。

「今回私が事の真相を皆様にお話ししたのもまさにその點なのです…
元帥閣下への忠誠心に一點の曇りも抱いて貰う訳にはいかなかった许溅。
元帥閣下は貴方がたの忠誠と信頼を裏切るお方では決してありません」

キルヒアイスの言葉に皆が頷きを持って答えると瓤鼻、キルヒアイスは皆に引き続き話を提案してくる。

「ここで皆様にご了承願いたいのは…この件はいずれはっきりと結(jié)著をつけさせて頂きますが贤重、
現(xiàn)時點に於いては引き続き箝口令を布くという事です」
「…どういう事だ茬祷、キルヒアイス」

ミッターマイヤーが皆を代表して尋ねるとキルヒアイスは話しを続けた。

「中樞部がこの有様では下はさらに混亂をきたすでしょう…
そのような事態(tài)は敵につけ入る隙を與えかねません…それに」

オーベルシュタインを処刑したところで200萬の人間が生き返る訳でもない并蝗。

「キルヒアイス…オマエ」
「だが祭犯、キルヒアイス…オーベルシュタインはどうするつもりなのだ?
罪を全く問わないという訳にもいくまい…事は大量虐殺だぞ」

ロイエンタールの言葉にキルヒアイスは言葉を返す借卧。

「…現(xiàn)時點で処刑を敢行すればこの事態(tài)を明るみにする事になりますので盹憎、
とりあえず彼は職務(wù)に対する越権行為を理由に拘留します。
その後は執(zhí)行猶予…という形を取る事になるでしょう铐刘、ですが…
今後このような事態(tài)が起きないよう私が責(zé)任を持って対処に當(dāng)たらせて頂きます」

目の前に門閥貴族という敵がいる狀態(tài)で団結(jié)を瓦解させてしまう事は陪每、戦いを前に敗北を意味する。
このような噂は今回に限らずとも敵の情報操作によってまたいくらでも出てくる事だろう镰吵。

「しかし…今後のためにもこのような噂では檩禾、我々の元帥閣下への忠誠心に
一點の曇りを與える事は出來ないのだと、貴方がたが模範(fàn)となって皆に示して頂かなくてはなりません…」

來たるべきローエングラム王朝のために…

「……っ0碳馈盼产!」
皆が一斉に目を瞠らせてキルヒアイスに視線を向ける。
ローエングラム王朝の名を公言したのはこれが初めての事だからだ勺馆。

「お…おお…っ」
皆が身體の奧から湧き上がる歓喜に身を震わせる戏售。

「…我々は門閥貴族の圧政を終わらせ、萬民のための新たなる時代の解放者になるのです草穆。
くだらない戯言に足元を掬われている場合ではありません」

これまで目前の敵に目を取られ照筑、明確な方向性を持たなかった皆が
キルヒアイスの言葉によってようやく覚醒した喳魏。

「キルヒアイス提督…っ」
「そうだ吠架、その通りだ…凡涩!我々の忠誠心は今こそ試されているのだ!!」

今ここにローエングラム陣営はラインハルトを中心に完全なまとまりを見せる嘿般。
皆が顔を見合わせ段标、決意を固めるとキルヒアイスに向き直った。

「…各艦隊は我々が責(zé)任を持って必ずやまとめ上げてみせる炉奴!
元帥閣下に於かれては心おきなく目の前の戦いに専念して頂きたい」

「この一件については…我々にも今後の良き教訓(xùn)になるだろう逼庞。
我等一同、この先いたらぬ戯言に対しては確固たる意志で立ち向かい
戦果を持って元帥閣下に対する忠誠心をこれまで以上に示していく所存だ」

新たなる新時代を我等の手で…盆佣!

そういってここにいる誰もが意識を高揚させて戦いへの意欲を充実させていく往堡。
やがて興奮が冷めやらぬ會議室での話し合いが一通りまとまりを見せた所で解散となった。

キルヒアイスはそのままラインハルトの部屋へは戻らずに
オーベルシュタインを拘留している部屋へと向かう共耍。

キルヒアイスが部屋の入口で人払いをして部屋へ入ると
オーベルシュタインはベッドに腰を下ろしていた虑灰。

「早く処分を言い渡してはどうだ…もうここに私の居場所はない」

打倒ゴールデンバウム王朝を成し遂げられないまま命を失うのかと思うと
これまで捨て去ってきた人間的な感情が蘇ってくるオーベルシュタインである。

「無念だ…あの方を王位に據(jù)える事で痹兜、私の中にあった鬱屈は全て昇華されたものを」

「それは違います…貴方が元帥閣下にしようとしていた事は打倒ゴールデンバウム王朝を
成し遂げようとするものではない…貴方は第2のゴールデンバウム王朝を復(fù)活させようとしたのだ…っ穆咐!
私が貴方を許せないのはその一點にある」

キルヒアイスの言葉にオーベルシュタインは俯いた顔を上げてキルヒアイスを見やる。

「門閥貴族を滅ぼす大義名分によって犠牲にした200萬の人間の命と字旭、
貴方が憎む劣悪遺伝子排除法によって殺されていった人間の命にどんな違いがあるというのですか…对湃!」

貴方は元帥閣下を第2のルドルフに仕立てあげようとしたのだ。

「……っR糯尽拍柒!」
「…貴方の他にも打倒ゴールデンバウム王朝の夢を元帥閣下に託された方がいました。
その方こそゴールデンバウム王朝の最大の犠牲者でもあった屈暗。
その方はご自分の力の及ぶ限り力を盡くし元帥閣下を支え続けた拆讯、その方こそ」

今は亡き、皇帝フリードリヒ4世陛下その人です养叛。

「同じ過ちを二度も繰り返す訳にはいかない…我々は時代を戻すのではなく
革命を起こそうとしているのですよ种呐、なぜ聡明な貴方がそれに気が付かないのですか」

「…あの方に、あの方にそれが出來ると卿は言うのか弃甥。
本當(dāng)にそんな時代を作れると…本気で爽室、卿はそう言うのか…!淆攻?」

「勿論です…その為に我々は歴史の勝者になるための戦い方をしなくてはならない阔墩、
それこそが貴方が本當(dāng)に望む打倒ゴールデンバウム王朝を成し遂げる唯一の道ではありませんか…
どうして貴方は安易で未來のない行き止まりの道を選ぼうとするのです!」
「……っF可骸啸箫!」

それは完全なる正論だった。

確かに自分は最初から諦めていた艰毒。理想など妄想だと…歴史は繰り返される罪の連鎖だと…
だがそれでは確かにキルヒアイスの言うとおり筐高、目的の達(dá)成に何の意味もないのだ搜囱。

打倒どころか復(fù)活…これでは自分の否定した道を肯定した上に手助けをする事になる丑瞧。

キルヒアイスの言葉にようやく自分の中での食い違いに折り合いをつけた
オーベルシュタインは心の中で結(jié)論を?qū)Г訾埂?/p>

「…ならば柑土、まだ私にはするべき仕事が殘っているようだ」
キルヒアイスの言葉を全て受け止めたオーベルシュタインが靜かな眼差しをキルヒアイスへと向ける。

「私は歴史の生き証人だ…ゴールデンバウム王朝の負(fù)の遺産を道連れにこの命を捧げる事が出來る」
絶好のタイミングでそれが実行出來れば绊汹、その時こそ世界は完全に新しい時代を迎える事になるだろう稽屏。

この命一つでそれが葉うのならばそれも悪くはない、本望だ西乖。
オーベルシュタインはそう言うとキルヒアイスに手を差し伸べた狐榔。

「…誰よりもゴールデンバウム王朝を憎む貴方なら
私の共犯者になれるのでは、と…私はずっとそう思っていましたよ」

キルヒアイスはオーベルシュタインに差し出された手を握り返しながら言葉を返す获雕。
思えばこのローエングラム陣営にきて自分と互角に會話をしてきたのはキルヒアイスだけだった薄腻。

敵に回せばどれだけ手怖い男かオーベルシュタインはよく知っている。
だが目的のために手を組むならばこれほど強(qiáng)力な共犯者は他にいない届案。

「本當(dāng)は…貴方がナンバー2不要論以外に私を閣下から引き離そうとした
理由も分かっていたのです…貴方は私たちの関係を知っていた」
「今はともかく…いずれ後継者問題が持ち上がりますからな」

キルヒアイスはオーベルシュタインの言葉に思わず苦笑してしまう庵楷。

「私は…あの方が望むならどんな事でも葉える、ただその為だけの存在なのですよ…
あの方がいずれ結(jié)婚し子供を作られてもそれは変わらない…あの方の子供ならば…私は愛せる」

キルヒアイスの言葉にオーベルシュタインは目を大きく瞠らせた楣颠。

なんという一方的な犠牲だろう尽纽。
この男は自ら望んでその立場を受け入れるというのだ。

『キルヒアイスは私自身も同様だ…』
キルヒアイスの言葉に愕然となったオーベルシュタインが
以前ラインハルトが口にしていた言葉を思い出す童漩。

「…私はあの方以外のものにこの世界でなにも価値を見い出せない弄贿、
おそらくそれはこの先ずっと変わらないでしょう」

私は人として決定的ななにかが欠けた盲目の人間。
その気になれば全人類の犠牲すらあの方の為なら厭わない矫膨。

「キルヒアイス提督…」
キルヒアイスの悟りきった目は半分どこか諦めのようなものをオーベルシュタインに感じさせる差凹。
それはおそらくキルヒアイスがこの心境に至るまでの葛藤の現(xiàn)れだろう。

「…話は以上です豆拨。とりあえずもうしばらくはここに居て下さい…閣下は私が説得します」
そういってキルヒアイスはオーベルシュタインの部屋を出た直奋。

「革命、そして戦い方…いかにして新時代を築き施禾、皇帝を光の道へと成さしめん…」

あの男脚线、キルヒアイスは英雄を作り上げようとしている…

そしてその英雄の影に暗躍して舊時代の闇を取り除き
英雄に光の道を歩ませる事により新時代を切り開こうとしているのだ。

だがそれは歴史上まったく無かった事ではない弥搞。
人類の歴史は英雄どころか神さえも作り出しているではないか邮绿。

繰り返される歴史の中に永遠(yuǎn)なる理想國家は存在せずとも
永遠(yuǎn)ならざる理想國家は確かに存在したのだ。

その場に殘されたオーベルシュタインは今後の構(gòu)想を練り上げながら攀例、
キルヒアイスがこの部屋で告げた言葉を何度も心の中で反芻することになる船逮。

數(shù)日後、オーベルシュタインは拘留を解かれ
再びローエングラム陣営のラインハルト付きの參謀に復(fù)職した粤铭。

司令部の人間たちに嫌悪の目で迎えられたオーベルシュタインだが挖胃、
自分の収まるべき立場をすでに悟ったオーベルシュタインは何の痛みも感じない。

キルヒアイスにこの件に関する全権を委ねたラインハルトもまた
この件については何も語ろうとはしなかった。

その後オーベルシュタインはキルヒアイスの計畫に協(xié)力して
ガイエスブルグ要塞でキルヒアイスの死を偽裝する共犯者になった酱鸭。

キルヒアイスとオーベルシュタインがラインハルトを皇帝にするべく仕掛けた
全宇宙を股にかける壯大な計畫はここから始まる事になる吗垮。
(※↑『天の果て 地の限り』にエピソード詳細(xì)有)

TEXT_赤金「薔薇の檻」-5
首都オーディンに戻り帝國宰相となったラインハルトの名の元で
キルヒアイスの國葬が壯大に執(zhí)り行われた。

キルヒアイスは生前に遡り凹髓、軍務(wù)尚書烁登、統(tǒng)帥本部総長、宇宙艦隊司令長官蔚舀、
帝國軍最高司令官代理饵沧、帝國宰相顧問の稱號まで贈られた。

葬儀の後赌躺、人気のない景色のよい丘の上に作られた墓所に
キルヒアイスの身體は永久保存されたまま埋められる事になる狼牺。

墓碑銘には”Mein Freund(我が友)”とだけ添えられてあった礼患。

どんよりとした厚い雲(yún)に覆われた空からは雨が降り注ぎ锁右、
皆が墓に納められるキルヒアイスを見守っていた。

キルヒアイスの墓前で膝を落とすアンネローゼの姿を見かけたラインハルトが傍によると
アンネローゼがこれまでに見たこともない目でラインハルトを見つめている讶泰。

「…貴方咏瑟、何をしたの?」
わなわなと身體を震わせラインハルトにそういうと立ち上がって
ラインハルトの胸元に爪を立てて縋りつく痪署。

「姉码泞、上…?」
「私がなにも分からないとでも思っているの…ジークは狼犯、
この人はこんな死に方をする人なんかじゃない…余寥、貴方が殺したのよ!」

ラインハルトが幼い頃から常に傍にいてラインハルトを守り続けたキルヒアイスである悯森。
自分との約束を守るためにキルヒアイスはいつも力を盡くしてくれていた宋舷。

「何とか言ったらどうなの…ラインハルト!貴方はジークのご両親に何とお詫びするつもり…っF耙觥祝蝠?」
「……っ!幻碱!」

アンネローゼの言葉に顔を真っ青にして全身を凍りつかせるラインハルトである绎狭。

言葉を失ったラインハルトを庇うようにミッターマイヤーとロイエンタールが
アンネローゼとラインハルトに割って入った。

「お二方…どうかお待ちを褥傍。まだ葬儀の途中です…故人を想うのならばここは抑えて」
ミッターマイヤーの言葉にアンネローゼは我に返り儡嘶、両手で顔を覆うように俯いて涙を流す。

「…私たち恍风、どうすればいいの蹦狂?ジーク以外誓篱、私たちにはもう誰もいないのよ…」

アンネローゼがそう呟きながら地面に崩れ落ちると、
ラインハルトが片膝を地面についてアンネローゼの肩を強(qiáng)く引き寄せる凯楔。

丁度そこに葬儀を離れて見守っていたキルヒアイスの両親が姿を現(xiàn)した燕鸽。

「…アンネローゼさん、どうか泣かないでやって下さい啼辣。あの子が悲しみますわ」
「おば、様…っ」

そういってアンネローゼに聲をかけてきたのはキルヒアイスの母親である御滩。
ラインハルトがキルヒアイスの父親の方へ顔を向けると父親がラインハルトに深く一禮する鸥拧。

「…やめてください、私はキルヒアイスを死に追いやった張本人です削解。
貴方がたに恨まれて當(dāng)然の人間だ…富弦!貴方がたからキルヒアイスを強(qiáng)引に引き離し、
そして命まで奪ってしまった…」

ラインハルトが立ち上がり堪らず聲を荒げると
キルヒアイスの父親が穏やかな表情を浮かべ氛驮、首を左右に振ってそれを否定する腕柜。

「それは違います…この子と生前の別れを済ませたのはもうずっと昔の事なのです」
幼年學(xué)校に入った最初の年、初めての休みに帰郷した息子はそれを最後に家に戻らなくなった矫废。

「自分の命よりも大切な方がいるのだと…そう申しておりました盏缤。
だからもう、自分のことは死んだ者と思って欲しいと」
「…っそん蓖扑、な唉铜!」

卒業(yè)後、毎月定期的に口座に振り込まれているお金を見ては息子の無事を確かめていた律杠。
額が上がると昇進(jìn)したのだろうと昇進(jìn)祝いをし潭流、毎年アンネローゼにキルヒアイスの名で
蘭の花を贈る度に息子の事を思い出す。そんな毎日だった柜去。

「ある日…息子が一度だけ還ってきたのです灰嫉。それは貴方のおかげでした…宰相閣下」
キルヒアイスの父親の言葉にラインハルトが昔、キルヒアイスを強(qiáng)引に家に帰らせた事を思い出す嗓奢。

「たった一晩でしたが讼撒、想像以上に立派になった息子と過ごす事が出來ました…有難うございます」

キルヒアイスの母親が父親の傍に寄り添い一緒になって一禮すると、
ラインハルトは溜まらず首を左右に振ってそれを否定する股耽。

「禮を言われるような事ではありません…私には帰る家がなかった椿肩。
だから、キルヒアイスや貴方がたの心情をそれまで察してなどやれなかった…っ豺谈!」

そう言ってラインハルトはキルヒアイスの遺體に目を向ける郑象。

「彼は私自身も同様でした…半身といってもいい。彼が死んだ時茬末、
私は迷わずその場で死を選ぶ事が出來た…だが彼は私にそれを許してはくれなかった…っ厂榛!」

『宇宙を手に入れてください…ラインハルト様盖矫。
そしてアンネローゼ様に伝えてください…ジークは昔の誓いを守った、と』

「ジーク…貴方击奶、は」
今初めて聞くキルヒアイスの遺言にアンネローゼは目を大きく瞠らせた辈双。

キルヒアイスが死んだその日からラインハルトの髪を切る者がいなくなり、
放っておく內(nèi)にラインハルトの髪は肩に屆く長さになっていた柜砾。

ラインハルトは內(nèi)ポケットからナイフを取り出すとばっさりとその髪を切り落とす湃望。

「宰相閣下…っ!痰驱!」

近寄ろうとする回りの者を手で制し证芭、ラインハルトはその髪を
永久保存されたキルヒアイスの遺體の上に投げ入れる。

「彼との約束を果たすまで…私は彼の元へ行く事が出來ません担映。
ですが废士、私は必ず約束を果たしてここへ戻ってきます…その時こそもう二度と彼を離さない。
今度は私との約束を彼に果たして貰う」

(『私は常に貴方とともにある…』蝇完、
キルヒアイスの言葉の真実をオレは必ず手に入れてみせる…)

ラインハルトはそういってキルヒアイスの両親に頭を下げると
キルヒアイスの墓所を振り返ることもなくその場を去って行った官硝。

數(shù)年後、ガイエスブルグ要塞で死を偽裝したキルヒアイスが戻ってくるその日まで
ラインハルトの髪が切られる事はなかった短蜕。
(※↑『天の果て 地の限り』にエピソード詳細(xì)有)

TEXT_赤金「薔薇の檻」-6
キルヒアイスが再びラインハルトの下へ戻り氢架、
皇帝ラインハルトの居城『獅子の泉』に住む事になってしばらく経ったある日の事である。

その頃すでにキルヒアイスは大公位をアンネローゼに返還して
帝國3長官の地位を正式に代行者に委任後朋魔、
帝國軍の主席元帥の地位と帝國宰相顧問を兼任する毎日を送っていた达箍。

そして久々の休日を得たキルヒアイスは気分転換に街に出てきたのだ。

私服姿で歩きながら皇帝の居城『獅子の泉』を出るまでに
キルヒアイスは何度警備の者に呼び止められた事だろう铺厨。

途中缎玫、ラインハルトの親衛(wèi)隊長であるキスリングに呼び止められ
護(hù)衛(wèi)をつける手配をされてしまったので何人かは近くに潛んでいると思われる。

キルヒアイスは街で買い物を済ませ解滓、オープンカフェで
コーヒーを注文するとようやく一息つく事が出來た赃磨。

ラインハルト辺りにこの事が知れると
おそらく何故自分も連れていかないのかと拗ねられてしまった事だろう。

キルヒアイスがまわりの景色を楽しみながらコーヒーを味わっていると洼裤、
偶然にも見慣れた顔を見かけて相手に軽く會釈を返した邻辉。

相手がキルヒアイスの存在に気が付くと慌てて駆け寄ってくる。
どうやら彼も休日中で家族との買い物を楽しんでいたようだ腮鞍。

(※↓『悪魔を憐れむ歌』後のエピソード)
「キキキ…キルヒアイス提督…っV岛А!このような場所で一體なにを移国!」

聲を顰めながら言ったのは彼がこの異常事態(tài)を十分理解している証拠だろう吱瘩。
護(hù)衛(wèi)の者が近くにいるのかどうかを確かめるように彼は辺りを見渡した。

彼は內(nèi)國安全保障局の局長であり諜報活動のプロフェッショナルだ迹缀。

「ククク…ッ使碾、ラング局長ご心配なさらずとも大丈夫ですよ蜜徽。
見張りはキスリング隊長に強(qiáng)引につけられましたから…」
「左様でございますか…お忍びにしてはあまりに大膽で驚きました。
いくら閣下が射撃の名手で白兵戦のエキスパートでいらしても
閣下はこの國最高VIPのお一人でいらっしゃいますぞ」

キルヒアイスは手を挙げてウェイトレスを招くとラングの分のコーヒーを頼んだ票摇。

「…ところで拘鞋、家族で外出ですか?」
「ええ…まあ矢门、娘の誕生日祝いのプレゼントを買いに街へ出て參りました」
そういって少し恥ずかしそうに話すラングにキルヒアイスは笑みを浮かべる盆色。
少し離れた所からラングの家族がこちらの様子を伺っているようだ。

「そうですか…それはなによりです祟剔。早く戻らなくて大丈夫ですか隔躲?」
「いや…それが私、こういった大っぴらな場所で仕事関係の人間に會ったのが
初めての事でして…家族に上司だと閣下の事をご紹介したら挨拶をしてこいと
言われました…なんだか少しこそばゆい感じもするのですが峡扩、いいものですな…こういうのも」

ラングはかつてゴールデンバウム王朝時代に國家治安維持局の局長として
反社會國家主義者の摘発を行っており帝國では恐れられていた人物だ。

その後オーベルシュタインにローエングラム王朝の內(nèi)國安全保障局の局長に任じられたが
ロイエンタールと諍いを起こし內(nèi)亂罪に問われ拘留されてしまった障本。

その後教届、ラングはキルヒアイスに助けられて復(fù)権したのだ。

「家族とこのような時間を過ごせるようになったのも閣下のおかげです…」

かつてのラングに見られた憑き物は落ち驾霜、穏やかな顔をするラングに
安堵を浮かべるキルヒアイスである案训。

「貴方はもう…大丈夫ですね」
「はい…誰にも認(rèn)められない汚れ仕事と罵られ、蔑まれていた私の中から生まれた歪んだ権勢欲は粪糙、
閣下の一言で解消されました强霎。この國の頂點である陛下とそれに次ぐ閣下に仕事を認(rèn)められている、
他の誰になにを言われてもそれに勝るものはなかった…
今では誰の前でも卑屈に背を丸めることなく胸を張って私は生きていけます」

こうして家族の前で仕事の上司を紹介出來る日が來ようとは夢にも思わなかった蓉冈。
ラングはしみじみとそうキルヒアイスに告げる城舞。

「私が貴方を認(rèn)めた理由は…職歴だけではありません。決定的にしたのは貴方の家庭の存在でした寞酿。
この健全な家庭を守るために社會の裏で汚れ仕事を一手に擔(dān)う貴方ならば家夺、
健全な國家を守るためにもその手腕を振るわれるだろうと思ったのです…」

「閣下…」

「…恥じる事など貴方にはなにもない。誰にも出來ない仕事をして
貴方は人知れず家族を伐弹、そしてこの國を守っているのですから」
キルヒアイスの言葉を噛みしめながらラングは恐縮して溜まらず頭を下げる拉馋。

丁度その時だ。

「お父様…っ惨好!」
そういってラングの家族が堪え切れずにキルヒアイスとラングの前にやってきた煌茴。

「初めまして…お父様がいつもお世話になってます!」
「お…おい日川、オマエ達(dá)蔓腐。この方は…」
娘が物怖じせずにキルヒアイスに挨拶を交わすとキルヒアイスは笑って言葉を返す。

「初めまして龄句、フロイライン…私の方こそ合住、いつもお父上にはお世話になっておりますよ」
キルヒアイスの爽やかな笑顔に顔を赤らめるラングの家族である绰精。

「ご家族のお買い物のお邪魔をしたようで…申し訳ありません」

「そんなあ…っ!お父様の仕事の上司にこーんなカッコいい方が
いらっしゃるなんて感激ですわ透葛、ねえ…お母様笨使!」
「ええ…まったくですわ!この人ったら家にもご招待しないで…本當(dāng)僚害、しょうがないわねえ」

ラングが冷や汗を掻きながらその様子を見守っていた硫椰。
意外と自分の心臓はやわだったのだ、などと自覚するラングである萨蚕。

「オ…オマエ達(dá)靶草、頼むからその…無禮な物言いは」
ここでキルヒアイスの正體を曬してしまうと大騒ぎは避けられない。
ラングは家族を必至に留めるが日常的な家庭內(nèi)でのラングの立場はどうやら平社員以下のようだ岳遥。

「…殘念ながらもうタイムリミットのようです奕翔。
そろそろ私は失禮させて頂かないと…楽しい一時を有難うございました」

キルヒアイスが時計を見やるともう城を出て結(jié)構(gòu)な時間が流れている。
そろそろ戻らない事にはラインハルトがまた騒ぎかねない浩蓉。

キルヒアイスはラングの家族に見守られながらその場を後にした派继。
その夜ラングの屋敷ではキルヒアイスの素性が知れて大騒ぎになったらしい。

「…止まれ捻艳!」
キルヒアイスは皇帝の居城『獅子の泉』の入口で再び呼び止められた驾窟。

出掛けた時と入口の警備がまた入れ替わっているようである。
また出掛ける時のように何度もこうやって部屋を目指すのかと思うとうんざりするキルヒアイスだ认轨。

「身分証明書の提示をお願いします…」
私服姿のキルヒアイスを不審気に見やる警備の者にキルヒアイスがカードを差し出すと绅络、
警備の者が顔を真っ青にしてその場に立ち盡くす。

(あわわわ…キ嘁字、キルヒアイス主席元帥…って恩急、まさかあの
帝國軍最高司令官と帝國宰相顧問を兼任しているという…!纪蜒?)

銀河帝國皇帝ラインハルトに次ぐ軍と政治の最高権力の持ち主である假栓。
皇帝の居住區(qū)に住んでいる彼ならば私服で『獅子の泉』を歩いていても決しておかしな話ではない。

私服姿に買い物袋を抱えているキルヒアイスの姿に唖然とする警備たちである霍掺。

「も匾荆、申し訳ありません…っ!失禮しました杆烁、どうぞお通りください」
「いえ…それより親衛(wèi)隊の誰かをここに寄越して貰えませんか牙丽。
また部屋に戻るまでにこれと同じ事の繰り返しになりそうですから…」

皇帝陛下の親衛(wèi)隊は皇帝陛下の住まいの警護(hù)を任されているため、
皇帝の居住區(qū)の前まではフリーパスで辿りつけるのだ兔魂。

居住區(qū)の近くまでいけば皆がキルヒアイスの顔を知っている烤芦。

「かしこまりました…っ、すぐに手配させて頂きます析校!」
キルヒアイスの言葉に警備の者が返事を返すと慌ててその手配に取り掛かる构罗。

「閣下…っM妗?」
警備のものが親衛(wèi)隊に連絡(luò)をとった所やってきたのは親衛(wèi)隊長のキスリングだった遂唧。

詳細(xì)を聞かされぬままキルヒアイスが親衛(wèi)隊を呼んでいると聞いて
何事かと親衛(wèi)隊長自らが慌ててやってきたようである芙代。

「キスリング隊長…」
キルヒアイスはキスリングの慌て振りにガクリと肩を落とす。

(何て住みにくい住まいなのだ盖彭、ここは…いちいち大袈裟過ぎる)
ラインハルトがキルヒアイスを無理やり自分の隣の部屋に住まわせているため纹烹、
うっかりそのまま外出しようものならこんな狀態(tài)になってしまう。

「このまま家出したい気分だ…」
ぼそりと呟くキルヒアイスの言葉にキスリングは
ラインハルトの反応を予想してギクリと內(nèi)心冷や汗を流す召边。

「閣下…ご冗談を」
「警備が厳重なのは結(jié)構(gòu)ですが…どうも庶民の私には肩が凝っていけません」
溜息混じりにキルヒアイスがそんな呟きを漏らしていると铺呵、
今度は皇帝の近侍であるエミールがキルヒアイスの姿を見つけ駆けつけてくる。

「閣下…隧熙!陛下が…また」
「…そうですか片挂。いえ、何も言わなくとも大體の予想はつくのですが」
そういって慌てるエミールを贞盯、片手をあげて制するキルヒアイスだった音念。

TEXT_赤金「薔薇の檻」-7
※18歳未満の方は閲覧をご遠(yuǎn)慮ください。

「キルヒアイス…っ邻悬!キスリングから聞いたぞ症昏、何故オレも連れていかないのだ随闽!」
ラインハルトの居住區(qū)に到著したばかりのキルヒアイスに発せられた
ラインハルトのいきなりの発言である父丰。

キルヒアイスが一緒に部屋の前まで來ていたキスリングに目をやると、
申し訳なさ気にキスリングがキルヒアイスに頭を下げて部屋を後にした掘宪。

「何を言っているのですか…貴方は今日蛾扇、仕事があったでしょうに」
「ああ…っ、こんな楽しい事を一人でやるなんて魏滚!ずるいぞ镀首、キルヒアイス…
姉上に言いつけてやるからな」

ラインハルトが苛ただし気に愚癡を零していると
アンネローゼが料理皿を抱えて部屋へとやってくる。

「おかえりなさい…ジーク鼠次。丁度よかったわ更哄、今料理を運ばせている所なの」
キルヒアイスが城に戻った事を聞いてどうやらアンネローゼは料理を溫め直してきたようである。

「それは有難うございます…私もお手伝いしましょう」
「いいのよ…エミール達(dá)もいるのだし腥寇。貴方は帰ってきたばかりで疲れているでしょう成翩、
そのまま座ってなさい…それより、食事をしながら今日の外出の話でも聞かせて頂戴な」

どうやらキルヒアイスの外出の一件がアンネローゼにも屆いていたらしい赦役。
後日この二人の外出につき合わされそうな予感にかられるキルヒアイスだった麻敌。

(キスリング隊長…頑張ってくださいね)
今のキルヒアイスは少々現(xiàn)実逃避が入っているのかもしれない。
まるで他人事のように皇帝陛下の親衛(wèi)隊長を務(wù)めるキスリングに同情してしまっていた掂摔。

(…薔薇の檻术羔、とは我ながらよく例えたものだ)
かつてキルヒアイスがゴールデンバウム王朝の皇帝の居城『新無憂宮』を
そう表現(xiàn)したのは囚人のようにがんじがらめの生活を送る皇帝フリードリヒ4世の姿を見たからだ赢赊。

(宮廷內(nèi)とは…たとえ場所や主が違っていても、やはり窮屈なものなのだな)

ゴールデンバウム王朝時代とは時代背景も全く違い级历、銀河統(tǒng)一を成し遂げた帝國は
ローエングラム王朝皇帝ラインハルトの名の下に革新的な改革を続けて
萬民のための公正な社會體制を布く事に成功している释移。

忌まわしい風(fēng)習(xí)を持った舊宮廷のしきたりは最早影も形も殘っていないが、
警備を徹底する以上この窮屈さはやむを得ないものなのだろう鱼喉。

ラインハルトもこの窮屈さには辟易しているものの秀鞭、アンネローゼとキルヒアイスがいない
孤獨な生活を余儀なくされていた昔にくらべれば天國だとラインハルトは言う。

それはアンネローゼも同様である扛禽。

「まったく久々に休みを狙って锋边、一人でなにをしているのかと思えば…」
小さな円卓を囲んで3人揃って食事をするようになったのは
アンネローゼが『獅子の泉』に移り住むようになってからの習(xí)慣である。

急を要する事でもなければ大體はこうして世間話をしながら3人で食事をして過ごすのだ编曼。
一日の疲れが癒される一時である豆巨。

「まあ、ラインハルトったら…休みの日くらいジークに好きに過ごさせてあげなさい掐场。
日頃から忙しい仕事をこなして大変なのだから」

「どうだか…こいつは最近往扔、自分の仕事を減らしてばかりですからね。
姉上がそんなに甘やかしていたらその內(nèi)熊户、こいつは家出をするかもしれませんよ」
ラインハルトの言葉にキルヒアイスは上目使いにラインハルトを見やる萍膛。

「…ラインハルト様」
「この國最高VIPの分際で、私服姿で一人で街に出掛けようとするなんて…
オマエも人の事をとやかく言えないのではないか嚷堡?」

キルヒアイスの事に関する事ならどんな報告も最優(yōu)先に受けているラインハルトである蝗罗。

以前のようにキルヒアイスがまたいなくなる事をあから様に警戒する事はなくなっていたが、
近頃のキルヒアイスの行動にラインハルトは不満を感じていた蝌戒。

ラインハルトの與えた役職を次々と代理の者に委任したかと思えば串塑、
アンネローゼを『獅子の泉』へと移り住まわせたり、ここ最近キルヒアイスは
やる事なすこと全てにおいてラインハルトを驚かせてばかりだからだ北苟。

「少し外から眺めてみたい気分だったのです…『獅子の泉』を」
「それはさぞかし解放感を感じた事だろうな…」
拗ねる口調(diào)でそういったラインハルトに苦笑で答えるキルヒアイスである桩匪。

「もう、その辺にしておいておあげなさいな…貴方も心配していた癖に」
「…姉上だってこういいながら結(jié)構(gòu)心配していたのだぞ友鼻。
オマエときたら何も言わずに一人傻昙、私服で外に出たりするから…」

ラインハルトの言葉にキルヒアイスがはっと我に返り、アンネローゼを見やると彩扔、
アンネローゼが返事に困ったように顔を傾げてしまった妆档。

キルヒアイスはようやく自分の注意が欠けていた事に気づきアンネローゼに向き直る。

「申し訳ありません…アンネローゼ様借杰。いささか軽率でした…
あらぬご心配をおかけた事过吻、お許しください」

「…いいのよ、ジーク。貴方が無事戻ってきてよかったわ」

食事を終えるとアンネローゼは自分の居住區(qū)のある離れに戻り纤虽、
キルヒアイスとラインハルトはそのまま寢室へと向かった乳绕。

エミールがその日最後の挨拶と共に部屋を去るとラインハルトが続き間になっている
ドアを開けてキルヒアイスのベッドへ飛び込んだ。

「ラインハルト様…1浦健洋措?」
慌てて駆け寄るキルヒアイスの腕を取りラインハルトが強(qiáng)引にキルヒアイスをベッドへ引き倒す。

「ここから出たいか…杰刽?キルヒアイス」
顔をベッドにうつ伏せたままそういったラインハルトの言葉に目を瞠るキルヒアイスである菠发。

「…駄目、だ」
「ラインハルト様…」
ベッドにうつ伏せになり贺嫂、首を左右に振って何度もラインハルトがそう繰り返す滓鸠。

「もうオレを置いてどこへも行くな…」
ラインハルトがそういって身體を起こし、
ベッドに仰向けになっているキルヒアイスの身體に覆い被さった第喳。

「ここはオマエを閉じ込める牢獄だ…もうどこへも行かせない」
「ラインハルト様…」

ラインハルトがキルヒアイスの両頬に手を寄せて糜俗、笑みを浮かべる。

「オレはオマエとの約束を守って宇宙を手に入れた…
今度はオマエがオレとの約束を守る番だ曲饱、そうだろう悠抹?」

ラインハルトが顔を近づけ、キルヒアイスの唇を奪いとる扩淀。

「…ん楔敌、…んう、ふ」
ラインハルトがキルヒアイスと唇を重ねながら驻谆、
キルヒアイスの著ている服を脫がし始めた卵凑。

「お仕置きだ…今日は、オマエ何もするなよ」
ラインハルトが濡れた唇を拭うように上唇を舌で撫で上げると旺韭、
キルヒアイスは諦めたように両手をシーツへ落とした氛谜。

「ん…うっ掏觉、駄目で…す区端、もう離し…て」
普段のキルヒアイスはラインハルトに口の中で自身を含まれる事を好まない。
ラインハルトの口內(nèi)を汚してしまうのが嫌だからだ澳腹。

ラインハルトはそれを知っていてキルヒアイスを嬲るように
濡れた音を立てながらキルヒアイスの熱くなったものを扱き始める织盼。

ラインハルトはキルヒアイスを追い詰める手段として
好んでその行為を利用する事があるのだ。

「ククク…もう先が濡れている酱塔。いつまで我慢できるかな…キルヒアイス」
ラインハルトの舌先がキルヒアイスの先端をピチャピチャと音を立てながら撫であげると
キルヒアイスは眉を顰めて呻き聲をあげる沥邻。

「やめ…っライン…ハルト、様」
「オレはここをこうされるのが好きだ…オマエも好きだよな羊娃?」
ラインハルトがキルヒアイスの根元を手のひらで握り込みながら唐全、先端を吸い上げた排苍。

「ん…っうう!」
「オレの口でイきたくないのだろう…珊泳?ならば」
そういってラインハルトが身體を起こし缺猛、キルヒアイスの腰を跨いだ。

「オレがいいというまで…出すなよ延届、キルヒアイス」
ラインハルトが迷わずキルヒアイスの勃起したものを體內(nèi)へと招き入れると剪勿、
キルヒアイスはシーツを握り締めながら射精を堪えた。

「熱…いっ方庭、溶けそう…だ」
「…オマエの方が…もっと熱い厕吉、ぞ」
ラインハルトがようやくキルヒアイスを體內(nèi)へ全て受け入れると
身體を仰向けになっているキルヒアイスの上へラインハルトが倒れ込む。

「も…限界械念、キルヒアイス…早く」
そういってラインハルトがキルヒアイスを抱き寄せる头朱。

「あ…待って、動かないで…ラインハルト様…っ龄减!んっんう」
「ひ髓窜、い…あっや、ああF鄣睢寄纵?」
キルヒアイスがラインハルトの動きに堪えきれずに射精してしまうと、
キルヒアイスは自分の失態(tài)に思わず片手で顔を覆ってしまった脖苏。

「酷い…キルヒアイス程拭、オレまだイってないのに」
「も、申し訳ありません…棍潘、大丈夫ですから恃鞋、落ち著いて」
自分の事を棚にあげ恨めしそうに涙を浮かべてラインハルトがキルヒアイスにそういうと、
キルヒアイスがラインハルトを宥めるように背中を撫でる亦歉。

「あ…っ恤浪?」
「…ね、今あげますから肴楷、泣かないで」
ラインハルトの中でキルヒアイスが再び熱くしたもので
ラインハルトの身體を揺すってやるとラインハルトがキルヒアイスの身體を抱きしめる水由。

「…ん、大き…早く赛蔫、…欲し」
キルヒアイスが腰を使って下からラインハルトの中を突き上げ始め砂客、
ラインハルトが心地よさそうに嬌聲を上げ始めた。

「…は呵恢、ん…あ鞠值、ああっ…イイ」
ラインハルトの勃ちあがったものからは快楽を示す雫が滴り、
キルヒアイスが指先でラインハルトの先端を拭うように撫でまわす渗钉。

「…あん彤恶、…ああっ!?…で声离、出る…歇竟、もう」
キルヒアイスの身體を抱きしめて身悶えるラインハルトが今にもイきそうになると、
キルヒアイスが先程の仕返しとばかりにラインハルトの根元を握り込む抵恋。

「や…いあ焕议、やああっ!弧关!…離…して盅安!」
ラインハルトがまるで気が觸れたように首を左右に振ってキルヒアイスに懇願すると
キルヒアイスが腰の速度を落として、ゆっくりとラインハルトの中を
掻きまわすように腰を動かし始める世囊。

「…や别瞭、やだ…もっと動い、て」
「もっと…株憾?どんな風(fēng)に…こう蝙寨?」
そういってキルヒアイスがラインハルトの弱い場所を掠めるように突き上げると
ラインハルトがキルヒアイスの腰に絡(luò)めさせた足でキルヒアイスの腰を締め付ける。

「あん…嗤瞎、や…そこ墙歪、もっと…やあっ、あああっ1雌妗虹菲?」
ラインハルトが背を反り返らせて痙攣を起こした。

キルヒアイスに自身の根元を抑えられながら掉瞳、
體內(nèi)にキルヒアイスの吐き出した熱を受け止めてラインハルトはイってしまったのだ毕源。

「あ…?な陕习、何…オレ霎褐、イッた?」
「空イキという奴です…射精しないで奧だけでイったようですね」
キルヒアイスが息を亂れさせながら唖然とするラインハルトの頬に口づけながらそういった该镣。

「…どれだけ私が貴方を我慢させても貴方は一人でイってしまえるのだから…本當(dāng)冻璃、敵わないな」
「ば、馬鹿…死ぬかと思った…ぞ拌牲。まだ目の前がチカチカ…する」

キルヒアイスが顔を真っ赤にしているラインハルトの瞼にそっと唇を寄せる俱饿。

「ご心配なさらずとも私はもうとっくの昔にこの薔薇の檻の住人ですよ…ラインハルト様」
「…キルヒ歌粥、アイス塌忽?」
首を傾げるラインハルトの頬に手を寄せて、キルヒアイスは笑みを浮かべる失驶。

「貴方は私が愛した最初で最後の花…」
キルヒアイスの言葉にラインハルトがフリードリヒ4世の遺言の事を思い出す土居。

「確か…フリードリヒ4世も言っていた。『最後の花』…一體擦耀、なんの事だ棉圈?」
「…我が人生に咲き誇りし最大の花、皇帝フリードリヒ4世陛下にそう言わしめた
『最後の花』とは…ラインハルト?フォン?ローエングラム眷蜓、貴方の事ですよ」

キルヒアイスの言葉にラインハルトが驚きに目を瞠る分瘾。

「オ…オレ…っ!吁系?では德召、あの遺言。オレを頼むといって逝かれたのか汽纤、あの方は上岗!」
「ええ…『新無憂宮』で囚人のような生活をしていたあの方にとって
貴方は新しい時代を切り開く希望の存在だった。
あの方は誰よりもゴールデンバウム王朝に絶望しておられたから…」

皇帝フリードリヒ4世が死後蕴坪、自分が育てた花園を焼き払うように
遺言を殘した理由が今のキルヒアイスにはよく分かる肴掷。

誰にも觸れさせたくはなかったのだ…自分の愛した花園を。

「花園を離れて見て分かったのです…私は花によって生かされていたのだと」
「キルヒアイス…」

キルヒアイスがラインハルトを抱き寄せながら背传、觸れるだけの口づけを何度も繰り返す呆瞻。

「…私を離さないでください、どうか私をこのまま貴方の腕の中に閉じ込めていて」
「離さな径玖、い…もう栋烤、どこにも…やら、な挺狰、…ん明郭、ずっとこの、まま」

角度を変えながら繰り返す口づけが唾液に濡れ丰泊、二人の間に細(xì)い糸が引く薯定。
舌でそれを絡(luò)めながら二人は深い口づけを交わした。

そのまま二人は飽くことなく互いを求め続けた瞳购。
薔薇の檻の住人たちはこの場所に囚われる事によって共にある事を望んだのだ话侄。

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